「デニムから」ワードローブ作りを始めるという人も多いスタイリストたち。「よく穿くデニムに似合う服=出番の多いアイテム」という彼女たちのセオリーをもとに選ばれた「使いやすくてオシャレに見える」アイテムの実力を着回しで実証。
白ロンTとデニムに「着回しながら足していく」服と小物
服もベーシック・足していくアイテムもベーシック。いい意味で「全部普通のアイテム」だから、どう着回しても違和感なし。シンプルなデニムとオールシーズン使える白のロンTをもっとオシャレに着るための服・小物の選び方や、着方のテクニックを、着回しながらスタイリスト・高木千智さんがナビゲート。
【スタイリスト・高木千智さん】
ひねりの効いたベーシックに業界でもファンが多い高木千智さん。ディレクターをつとめるブランド「onit」も人気。デニムは501を愛用中。
まずは白T・デニムをアップデート
「白のロンTとライトブルーのデニムには、ニット帽や厚手のソックスを散らしてぬくもりをキープ。究極にシンプルなので、トゥーマッチなサイズのレザーバッグを添えて、さっぱりとした印象を解消」(高木さん)
レザージャケットで辛くもなる
「白T・デニムの組み合わせはそのままに、強気なジャケットに挑戦。ミドル丈・レザーのハリ感・身幅の広さが、気になるヒップラインを隠してくれるから、体のラインが出るデニムにも前向きになれます」(高木さん)
白Tをサブに濃厚配色
「上のスタイリングから白Tは生かして、デニムの色を黒にマイナーチェンジし、上下をつなげるようにニットを重ねる、という思考回路でスタイリング。ソックスでも部分的に白を効かせて、緩急ついたレイヤードを」(高木さん)
軽やかにモノトーン
「ニットを脱ぐだけで、抜け感のある軽快なモノトーンスタイルが完成。ほどよくボディラインに沿うなめらかな質感が、ハードなデニムを無理なく女っぽく見せてくれる。サテンバッグもカジュアル以上に欠かせない要素。」(高木さん)
隙を残せるALLブラック
「デニム独特のムラを抜け感ととらえれば、ハードなジャケットありきのALL黒にも親しみが。黒にとってはもはやさし色となる品のいいベージュバッグにつられて、甘さを残せるフラットシューズを。ただし黒で統一感は死守。」(高木さん)
ニットの用途を変えてTシャツの出番
「さっき着たニットを肩にかけてストールのように使い道をチェンジ。ネイビーを印象的に見せる上級なグラデーションを手軽に試す目的で、Tシャツは黒を選択。ブルーレンズのサングラスも配色の要素の1つに。」(高木さん)
「とにかくスタイルよく見える」スタイル重視の着回しパターン
「スタイルよく見えることは必須」という自身が身長150cm弱と小柄のスタイリスト・岩田槙子さんが選んだ1本のデニムと、合わせたトップスや小物自体の選び方も交えて、その使い方を着回しでご紹介。デニムでカジュアルはいつでもできるから「キレイに着る」方向、ヒールの高低ではない、スタイルよく見えるシューズ選びが必須。
【スタイリスト・岩田槙子さん】
シンプルな中にどこかモードな雰囲気をまとったスタイリングに定評あり。身長150cm弱ということもあり私服も、スタイリングもスタイルバランスを最重視。自身が選ぶデニムは、定番よりも少しクセのあるものが好み。
「まじめにボーダー」でキレイに
「海外の学生みたいなイメージでスタイリングした、ジャケット・ボーダー・デニムのスタンダード。ひねりのあるデニムとカラーボーダー、ボーダーの色に近い小物を随所に散らして」(岩田さん)
「力の抜けたコンサバ」でキレイに
「インナー次第で表情が変わるデニムとジャケットの組み合わせ。重ねずトップスとして着るベストをのぞかせることで、隙と今っぽさが手に入る。サンダルの抜け、バッグの重みを利用し、ネイビー軸の重厚感を払拭」(岩田さん)
「儚いレイヤード」でキレイに
「淡い色はふだんあまり手にとらないのですが、何にでも合うデニムがあれば話は別。ナチュラルな柄シャツにライトなジャケットをふわりと肩にかけた「春を先どり」なレイヤードも、クセのあるデニムが支えてくれます」(岩田さん)
「シャツらしい清潔感」でキレイに
「シャツをINしたデニムスタイルは、王道すぎて難しいという見方もできる。ポケットやベルトループが大きい遊びのあるデニムは、INしたときにディテールがきわ立って簡単にハズしが可能。シャツの柄で甘さも補填」(岩田さん)
「鎖骨と背中」でキレイに
「前後がざっくり開いた女っぽいトップスも、ポップなカラーのボーダーを選べばカジュアルなまま。顔まわりの抜け感に加え、デニムの迫力とストールのボリュームとの対比によって、上半身をさらに華奢に見せたいところ」(岩田さん)
「ネイビーのワントーン」でキレイに
「品のよさを求めるとき、アイテムであれこれ悩むよりも「ネイビーでまとめる」という単純な手段に頼りがち。オーソドックスなものではなくおもしろいデニムだから、テクニックいらずで無難には見えません」(岩田さん)
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