黒がまとめる色だとしたら、白はなじませる色。強さを和らげたり、テイストの境目をぼかしたり。抜けを操れることで理想のバランスに調整するのが簡単だから。シンプルなスタイルを今に変えていくためには、白のフィルターを通すことでイメージどおりにことが進むはず。
(CONTENTS)
①旬は白「ヒールじゃなくてもスタイル良く見える」デニム
②週3デニムのスタイリストに聞いた「理想の1本」着回し術
③「ココが見どころ」 プロ直伝「デニムの選び方」
④とにかくキレイで「とくにいい」新しいデニムパンツ
デニムの旬は「白」 カラーチェンジでアップデート
「デニムが白」=それだけで上質なカジュアル。清潔感、品のよさなど、白が持つイメージを利用すれば必然的にキレイを高められるから。よくはくデニムの色を更新するだけで、着方を問わずカジュアル以上のクオリティに。
クロップト丈のワイド

メンズライクに寄せるときは華奢なパーツが見える丈で微調整
ビッグブルゾンでやんちゃにふるまうときも、デニムが白だとクリーンに仕上がる。服がボーイッシュなぶん、足首がのぞくクロップト丈を選びさりげなく肌見せを。
コンパクトなストレート

美脚デニムを主役にした抜け目のないモノトーン
股上深いハイウエストに、細身のストレート。脚線を細く長く見せる美シルエットで、シンプルな装いがテクニック不要で洗練される。
ゆるやかなオーバーオール

ミニマルな配色だから成立する「スマートなルーズ」
オーバーオールを軸にしたルーズな装いは、色数をおさえてすっきりと。無彩色ならなおさらキレを保てる。ごわつきのないしなやかなデニム地で、つなぎにありがちなワーク感がなごむ。ショルダーストラップをウエストに巻き付けて穿いても。
細すぎない美形な白

デニム特有の武骨な素材感と、クリーンな白がマッチ。白の甘さとデニム特有のカジュアルな素材感がマッチ。ヒップラインを多少ゆるめに設計することで、肉感を拾わずにまっすぐなシルエットを形成。
脚をまっすぐ見せる「シルエットの丸み」

デニムならではのハリのある生地で丸みのあるバナナシルエットを形成。脚線をごまかしながら、テーパードの余白が見えないレッグラインを細く演出してくれる。清涼感のあるクリーンな白で、デニムでワイドでもやぼったさのない1本。
バッグポケットまでとり除いた「美形フォルム」

潔くバッグポケットを無くし、代わりにタックをほどこしたスタイルUPシルエット。あえてつくったウエストまわりの丸みが、気になる部分のハリやアタリを上手にカバー。タックの深さに加え、レッグラインに配した切り替えステッチにより、カーヴィーな白パンツでも膨張感はなし。
人気スタイリストに聞いた「着回しに幅が出る」白デニム
デニムは真っ白でなく明るくないオフ白。そして太すぎないストレート。そんな白に合う服=その服自体も着回せるという目線で選ばれた服や小物の選び方、着方のテクニックを、着回しながらスタイリスト・樋口かほりさんがナビゲート。(合わせた服・小物は現在お取り扱いのない場合もございます)
【スタイリスト:樋口かほりさん】 本誌でも特集が組まれるほど自他ともに認めるデニムフリーク。絶対に試着をしてから買うのがモットーで、撮影の際も、実際に試着をしながら選別。スタイルよく見せるバランス感は毎回大反響。
真っ白じゃないからむしろいい

白デニムパンツ 11,880円/MOUSSY(バロックジャパンリミテッド) 「グレーの糸を使用した、影のある白だから浮いて見える心配もなし。カラーリングも絶妙な1本です」(樋口さん)
1.スタイル良くモノトーン

「ショート丈と極端な配色のコントラストにより、簡単に脚を長く見せることに成功。小物もミニマルな黒に徹して極力シンプルに。ミニバッグを首から下げることで、ハズしと縦のラインの強調を同時に果たせます」(樋口さん)
2.デニムに合わせてスウェットの用途を変える

「白デニムはキレイにも見えがちだから、いかにカジュアルに着るかが課題。肩に巻いてもさまになるスエットの厚みをいいことにタンクトップを。白に効きすぎないニュアンスカラーの小物で統一し、大人っぽさを微調整」(樋口さん)
3.軽やかな服・配色に「小物で重みを補って」バランスよく

「白デニムを少し甘く着たいから、ほかはやわらかいベージュでマイルドに。ぬいぐるみみたいなバッグは、小物だから春にちょうどいいインパクト。バッグで遊んだぶん、足元は適度な女っぽさを補える1足を選択」(樋口さん)
4.淡い色には大きなバッグを

「薄いグレーにくすんだ白は、シンプルなのに上級に見える配色。ただ、ぼんやりした印象になりがちで、どこかにポイントがないと膨張して見えるので、かごバッグのがさっとした質感と極端に大きなサイズの異質なインパクトを利用しました。
BIGサイズといってもレザーだと重いし、コットントートだとカジュアルすぎる。かごバッグなど軽い最良の選択だと思います。バッグの軽快なイメージに合わせて、そでを小さくロールアップさせたところもポイントです」(樋口さん)
5.デニムの色から決める

約週3ペースでボトムはデニム、というデニムフリークの樋口さん。合わせるバッグは、その日に穿きたい「デニムの色に合わせる」ことが簡単にバランス良く見えるポイント。
「ワントーンをぼやけさせないために、素材で差をつけるのが好き。これもレザーバッグの光沢感を利用し、黒デニムに黒レザー、白デニムには白レザーでそろえて同系色の中にエッジを残しました。統一感とレザーの質感が生きることによって、Tシャツ・デニムでもカジュアルになりすぎず、意外とシーンを選ばないスタイリングです」(樋口さん)