見せるのではなく「見える」。そんなさりげないワザが効いたスタイリングで、毎号反響を呼ぶスタイリスト・樋口かほりさん。過去に手がけたスタイリングをもとに、そのファッションセオリーをあらためて解剖。リアリティのあるスタイルを生み出すうえで大切にしている「言葉」をワードローブづくりのヒントに。
※クレジット表記のないものは、すべて樋口さん私物です。
01. BACK ATTITUDE
「デニムは前より後ろ」
ヒップやパッチなど、服の中でもとくにデニムは後ろが絵になる服。右の写真はヒールまで赤いサンダルにしたり、ヘアにリボンを飾ったり。顔が見えないぶん「何が好きな人か」を感じさせる後ろ姿を意識的に表現しました(樋口さん)
02. RED
「赤はとっておく」
いつもはベーシックな色を好む人が、ある日突然赤をさらっとまとう姿には、ドキッとさせられるものがある。だから私の中では、赤=いざというときの色。シンプルなデザインを選ぶなど、無理のない取り入れ方が大事だと思います(樋口さん)
03. POWER OF WHITE
「白は派手な色だから」
清潔感や知性のある白は、同時に緊張感のある色。白シャツなど正統派なものだとその印象はさらに高まる。ALL白ならなおさら。Tシャツやあえてストラップつきのパンツなど、なるべく「隙がある白」を選んでいます(樋口さん)
04. BACK CONSCIOUS
肌を見せるなら背中から
フロントだと抵抗があるし、オフショルだとどこか甘い。大人の肌見せを考えるなら、顔とは離れた位置の背中で考えればさりげない。サテンなど「そもそも女っぽい質感」よりも、素材感はカジュアルなほうが簡単(樋口さん)