よく着る服をもっと生かすために。ベーシックスタイルを底上げするテクニックを、GISELeの人気スタイリスト、樋口かほりさんに総取材。シルエットや配色、改めて覚えておきたいバランス感覚に優れた組み合わせの基本など、明日から役立つワザをまとめてご紹介。
【スタイリスト・樋口かほりさん】
毎号表紙も担当するGISELeの看板スタイリスト。大人に似合うカジュアルをモットーに、リアリティのあるアイテム選びの提案と肩の力を抜いて着られる、シンプルカジュアルなスタイリングは毎号多くの反響が。
「デニム上手に見える」テクニック
スタイリストの中でもとくに多くのデニム特集を手がける樋口さん。毎号のように担当しているだけあって、デニムにまつわる引き出しの多さは随一。過去のスタイリングをふり返り「デニムがよく見える」裏側を解説。
【ウエストのゆるみを利用する】
「ぶかっとしたウエストをキュッと締め上げたときに生まれるニュアンスを求めて、あえてワンサイズ上やメンズサイズのデニムを選ぶことも。ジャケットスタイルなど、まじめな装いに１つポイントをつくるイメージで」（樋口さん）
【Gジャンのそでにボーダーを飾る】
「デニムは「色」としても魅力的な唯一無二の服。ブルーのGジャンの内側から、例えばネイビーのボーダーを効かせて「色×柄」の遊びを。ボーダーTシャツのそではそのまま、Gジャンのそでだけまくって、わざとボーダーをのぞかせるバランスを探るのも楽しい。柄トップスやヴィヴィッドカラーのインナーでも活用できるテクニック」（樋口さん）
【デニムパンツは後ろ姿がかわいいかどうかで選ぶ】
「デニムを選ぶとき、前より後ろから見たときの印象を重視します。ヒップラインがキレイに見えるかどうかはもちろん、パッチやタブ、ポケットの形など、デザイン自体が意外と後ろに凝縮されているのもデニムの魅力のひとつ」（樋口さん）
【ベルトループの意外な使い方】
「シャツを合わせるとき、すそをくるっとしばったときに余る部分を、ベルトループにひっかけただけ。もの足りなさを感じたときに「加えずひねる」解決方法もアリだと思います」（樋口さん）
【オーバーオールで2つの顔】
「まずはふつうに着て、飽きたら胸当て部分をおろしてデザインデニムパンツのような表情にチェンジ。新しいデニムに着がえたぐらい、見え方も気分を大きく変わる。1日を同じ服で過ごす中で、簡単に印象を変えれるというのも、オーバーオールのいいところ」（樋口さん）
【計算されたタックIN未満】
「メンズの無造作な着方からヒントを得ることもしばしば。タックINするとまじめすぎるけれど、OUTだとバランスがとりにくい。そんなときに、ウエストにトップスを「ひっかける」間をとった策で解決」（樋口さん）
【デニムの間に沿わせるパール】
「白Tのネックラインに沿うようにパールネックレスをプラス。長いものでなく、ネックラインに沿うように、というのがポイントです。オーバーオールとGジャンという、デニムの中でもハードな２つの強さをまぎらわすように柔和な光でドレスアップ」（樋口さん）
【Gジャンをトップスのように1枚で】
「スカートの甘さをてっとり早く引き算できる、アウターとしてではなく、トップスとしてのGジャン。「着たまま」にせず、そでをまくったり、えりを立てたり動きをつけて抜け感を出すだけで、印象もずいぶん違ってくると思います」（樋口さん）
【カットオフデニムに合わせる過剰な甘さ】
「切りっぱなしのタフなデニムに、アンクレットとピンクのミュールという意外性。黒デニムならではの「あせた黒」なら、ピンクをぶつけても強すぎない」（樋口さん）
【ひざから下をあなどらない】
「きちんと塗られたネイルやアンクレットなど。これからの季節はとくに、足元が目立ってくるので、例えば白Tにブルーデニムを合わせたラフでシンプルなスタイリングにこそ、丁寧で行き届いた足元が完成度を左右」（樋口さん）
【シャツをくずして大人びる】
「シャツを着て、オーバーオールを重ねるだけではボーイッシュ。えりを乱して、そでを開けて、女っぽさに加えて立体感・躍動感を同時にマーク」（樋口さん）
【短いデニムに必要な余裕】
「幼くなりがちなショート丈のデニムは、トップスのゆるさ・大きさで視線をそらすのが大人っぽく見せるコツ。ロングブーツなどで足元も隠して仕上げるのもいいと思います」（樋口さん）
【ヘアをデニムジャケットの中におさめる】
「デニムのカジュアルさは手を抜くとやぼったく見える危険も。ヘアをジャケットの中におさめるだけで、凝ったアレンジよりも印象的にうつることも」（樋口さん）
「着回すのは白ロンTとデニムだけ」
≫【全20選を見る】 スタイリストに聞く「どう着ても違和感のない」アイテムの選び方・着回し方
