とくに毎日をともにに過ごすバッグは、見た目がいいだけでなく、使い勝手のよさもゆずれない。ファッションのプロたちはどこを見てどう選ぶ? それぞれが愛用している「理由のある」名品をリサーチ。 ※( )内の数字はサイズで縦×横×マチ、単位はcmです。
プロ視点で選ばれた1軍バッグ
日々、多くの服や小物に触れるGISELeスタイリストたちの審美眼にかなったものは? 自分的ルールに基づいた選びのポイントや愛用の理由を聞き込み。
【スタイリスト・樋口かほりさん】
毎号表紙も担当するGISELeスタイリスト。大人に似合うカジュアルをモットーに、リアリティのあるアイテム選びの提案と肩の力を抜いて着られる、シンプルカジュアルなスタイリングは毎号多くの反響が。
【SELECT RULE】
□何にでも合う黒か白 □メインもサブも担うトートを併用
バッグは、どんな服にも合う「黒か白」の少数精鋭。どんなスタイルにもどちらかが必ずハマるのでよく似たフォルムで2色をそろえることも。ミニマルなデザインで、ビーサンを合わせたラフな服にもきちんと感が出て振り幅が広い。仕事の日は、いろいろな古着や雑貨屋さんで調達して集めたトートと併用して使っていて、コーディネートルームからのちょっとくらいの外出なら、目的に合わせてどちらかだけを持って出かけたりしています(樋口さん)
吉田カバンとのコラボレーションにより生まれた名作、通称「青山バッグ」はコムデギャルソンの青山店でしか購入できないアイテム。職人がひとつずつ丁寧に生産するため、量産品にはない独特の味わいがでてくる名作。
軽さを生む「サテン地の薄ピンク」
「あまり色ものを着ない夏は、小物で色をさすのが毎年の流れ。単純にピンクが好きで、この白に限りなく近いランジェリーのような色みとサテンのツヤにほれ込んでいます」(樋口さん)
Tシャツやタンクなど肌感のあるトップスと一緒に
「秋冬はもちろんですが、薄手のトップスに立体感を足す役目としても。なので小さめサイズ・毛足短めくらいがちょうどいい。ベージュも着こなしに柔らかさを足してくれます」(樋口さん)
街にも向く柔らかいパイル地
「夏はTシャツ+デニムのコンパクトな装いが多いから、バッグでボリュームを。手触りのいい“くたっと”感で、着くずせるのがかわいい。汚れが目立ちやすい白ですが丸洗いできる、というのも大きなメリット」(樋口さん)
【スタイリスト・岩田槙子さん】
シンプルな配色をしゃれて見せるテクニックに定評あり。身長150cm弱ということもあり私服も、スタイリングもスタイルバランスを最重視。
【SELECT RULE】
□「好きなブランドを毎シーズン」 □「見た目で映えるデザイン性」
「愛してやまないHEREUは、ほかにない革のやわらかさや、絶妙なカラーが刺さって毎シーズン2〜3個ずつ追加しています。右のMoltaは、結び目のある持ち手と形の美しさが気に入り購入。
左のSiniaは、久しぶりにななめがけの気分だったのでトラッドにもカジュアルにも振れるデザインと、ちょっとした小物などを入れる内ポケットのある機能面に惹かれました。黒ベースの私のワードローブに相性がよくて出番が多い2つです」(岩田さん)
「トラッドなのに」おかたくない
「仰々しくなりそうな細部まで凝ったデザインも、トラッドに寄せた正統派だから持ちやすい。どんな服にも合わせるだけでグッドガールな印象へ」(岩田さん)
人気バッグブランド・VASICの名作シリーズ
「あまり大きなバッグはバランスが悪く、かつ小さくても実用性がない。なのでバッグは大きすぎず小さすぎないサイズ感の、肩掛けできるショルダーがベスト」(岩田さん)
お勧めは「YAHKI」のバッグ
「YAHKIのバッグはプライスもお手頃で上質、シンプルで使いやすいモノが多くおすすめ。トートも大きすぎず、小さい過ぎないサイズ感で、コーディネートの邪魔にもならない。シンプルで使いやすく、フォルムが可愛いモノが豊富。ほかにも日常使いにもぴったりなサイズ、デザインも多彩にそろいます」(岩田さん)
ストライプみたいな異素材MIX
「どんな服にも合わせやすく、アクセントになる、オーガニックコットンとカーフレザーのストライプ。手に提げても、クラッチ使いもできる便利なタイプ」(岩田さん)
【スタイリスト・渡邉恵子さん】
古きよきメンズスタイルに、女性ならではの品格やかわいらしさをとり入れた提案が得意、USブランドにも詳しい。
【SELECT RULE】
□「兼用できるサイズ・見た目」 □「長く愛せるプライスレスなもの」
「バッグには、使えるシーンや役割を2つ以上持つオールマイティさを重視。オフィスにもプライベートにも兼用できるバッグをずっと探していました。Bradyのフィッシングバッグ「ARIEL TROUT」は、レトロな見た目で、メンズっぽいものを女性が持っているというギャップもまた可愛い!
メイ トゥエルブのバニティバッグはリースに行ったときにひとめボレして購入。浅いデニムとキャメルのレザーの色合いがまさに直球。メイク道具入れ兼ミニバッグとして使っています。」(渡邉さん)
「薄型なのに」おさまりがいい
「PIENI×Graphpaperの別注。サイドのデザインが特徴的でシンプルな黒にもほどよい遊びが足せる。中がスエード地になっていて汚れにくいのもうれしいポイント」(渡邉さん)
なじみやすい配色のストライプ柄
「主張しやすい太めのストライプは、柔和な白×キャメルの配色で穏やか、かつ上品でどんな服にも合わせやすい。こなれて見えるスムースなニット素材で、大きさの割に軽いところも重宝するポイントです」(渡邉さん)