服同等の存在感を発揮し、装いのムードづくりやバランサーを担う大きくて心地のいいストール。選び方からアレンジ術まで。「防寒」だけにとどまらない使い方や選び方、お勧めの名品をお届けします。
(CONTENTS)
①ストールに託す3つの役割
②「シンプルな服に似合う」3タイプの新作ストール
③「巻き方ひとつで服が見違える」使い方
④上手な「ストールの巻き方」講座
1.
ストールに託す3つの役割
まずは使う目的を明確にすることで、ストールの長所を深掘り。
【埋もれさせる】
端正な装いに必要な愛嬌。シャギーな風合いをぐるぐる巻きにしたストールに、顔をうずめることで生まれるあどけない姿。素材感としぐさによる愛らしさが、辛口な黒の緊張をゆるめて親しみやすく。
【おおう】
特別な色と距離を縮めたいから。1枚で着映えがかなうワンピースを大判ストールでおおえば、優美なフォルムは保ったまま、色の強さやシルエットの迫力も抑えられて、デイリーに沿うドレス感に。また、ロングカーディガンのように羽織りつつ、肩にひっかけて垂らす、ような使い方もおすすめ。
【つなげる】
服を重ねるより手軽な立体感。肉厚ニットにパンツも白のワントーン。そのままだと少しもの足りない。だけどレイヤードは着ぶくれが気になる。同色ストールで動きとボリュームを補い、完成度をアップ。クルーネックの首元をおおい、温度感も上昇。結び目やフリンジのあしらいを効かせれば、さらなる抑揚も見込める。
2.
「シンプルな服に似合う」3タイプのストール
厚手ニットにかけても暑苦しくならず、さっとまとえるストールは、あたたかなこの冬を支える要。コート不要でもあたたかく、オシャレに仕上がる、使いやすい3つのタイプをピックアップ。
【1】 アクセントに「柔らかいカラーモヘア」
保温性の高いシャギーな風合いは、首にぐるぐると巻きつけるだけで見た目以上のぬくもりと愛嬌を確約。あたたかみの増す暖色系と余韻を残すフリンジつきがベスト。
ストール 11,000円/OMMO ベロアトップス 16,500円/ウィム ガゼット(ウィム ガゼット ルミネ新宿店) 眼鏡 39,600円/ワンスリー コンパウンドフレーム(デュアル) しっとりとしたベロアに、軽妙なモヘアをのせた質感のコントラスト。首から顔に向かって重ねるように巻きつけて、フリンジのあしらいを効かせて。
合わせやすい「くすみピンク」
ピンクストール 20,900円/ebure(LITTLE LEAGUE INC.) 太めの毛束感のフリンジが新鮮。
さまざまな使い方ができる超大判サイズ
グリーンストール 7,700円/Ungrid ふわふわでグリーンを冬仕様に。巻いたり、垂らしたり、肩にひっかけて使ったりと便利な超大判サイズ。
【2】 「チェック柄」でシンプルな装いに遊びを
正統派な巻き方では少々やぼったいチェック柄は、片側を極端に長くたらして、ロングコート的なIラインに。上品ながら適度な脱力感が手に入り、あか抜けた印象。
ストール 86,900円/ジョンストンズ オブ エルガン(BRITISH MADE 銀座店) ニット 17,600円/ジムフレックス(ビショップ) パンツ 36,300円/ebure(LITTLE LEAGUE INC.) パンプス 16,500円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店) ストールの端を一度首に巻きつけて、片方をたらすだけ。前は長く、後ろは短く。差をつけたロング丈で、縦のラインを強調して。
上質なウールのチェック柄
チェック柄ストール 93,500円/ジョシュアエリス(スピック&スパン ルミネ有楽町店) アイコン的なブラックウォッチ柄。
さりげないバイヤスチェック
クロス柄ストール 44,000円/エレガンセーゼ(TTIME) カシミヤ100%ゆえの美しい発色。
【3】 シンプルなストールは「アレンジ自在な超大判」を
ブランケットのように幅広なストールは、片側の肩にひっかけて温感を高めたり、無造作に束ねてショールのようにまとったりと緩急つけた使い方が可能。アレンジしやすい薄手で。
ストール 46,200円/スローン(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) カーディガン 25,300円/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店) ロゴTシャツ 6,600円/バルミーデイズ(UTS PR) スカート 35,200円/カオス(カオス表参道) ブーツ 19,800円/ファエダ(シップス インフォメーションセンター)
細めに束ねたストールを首にひと巻きしてひとつ結びしたり、片側だけにたらしてロングコートのような縦の流れをつくったり、見え方が変わるのも◎。
細かな編み地のニットストール
ストール 59,400円/アソース メレ(アイネックス) 名品が多い「アソース メレ」のストール。ふちにリブをあしらった、上品なデザインのカシミヤ素材。
ほのかな透け感で黒の重さを緩和
ストール 29,700円/ウィム ガゼット(ウィム ガゼット ルミネ新宿店) 1つあると便利な黒こそ、自在なアレンジを楽しめる大判サイズを。
3.
「巻き方ひとつで服が見違える」さまざまなストールと使い方
防寒だけでなく、オシャレにさまざまなメリットをもたらしてくれるストール。上手に活用する方法を、コーディネートの実例でご紹介。
ミニボトムを品よく見せる
引き締まる色の力を頼りに全体をコンパクトに仕上げつつ、ロングストールでボリューム感を加え、コントラストのついたシルエットを形成。一度前に均等の長さになるように垂らし、あとは片方を後ろに逃がすだけのラフな巻き方がちょうどいい。
アウター感覚で羽織る
シンプルなワントーンにぬくもりとリズムを。 そのままだとややモノ足りないワントーンに、さらっとはおって立体感をメイク。さわやかなイメージだった白が季節にあった装いに。
ニットストールをカーディガンのように
カーディガンを肩掛けするような感覚でニットストールをON。スレンダーなニットスカートに短い丈のニット、さらにニットストールで目線を上にあげることでスタイルUP。アームウォーマーとセットで投入すれば単品使いはもちろん、セット使いでもバランスよく仕上がる。
コートの上から垂らして・おおってベルトを巻いて一体化
ストールに配したネイビーの縦ラインで、色をつなげたスタイリングの流れを強化。
巻く・垂らす以外で応用も利くストールの使い方
ロングカーディガンのように「羽織って垂らす」ような使い方。コートの上からも包み込める大判サイズを。
コートの上からニットをストールのように巻く
シャツの上に着ていたニットを脱いで、コートの上からストールのように巻いてボリュームアップ。肉厚さゆえのモコモコとしたフォルムも、コートと巻いたニットのトーンをそろえれば大人を保てる。
ガウンに見立てて「縦に長く」ストールを使う
デコルテがのぞくネックライン。肌とニットのコントラストを完全におおってしまうのはもったいないから、「見え隠れ」するストールを有効利用。優雅に広がるロングスカートの曲線美ともつり合いがとれて、ロングコートではあらわせない気だるさが実現。
デザインするようにダウンストールを一体化
エレガントな黒のサテンブラウス&ベージュのワイドパンツに重ねて、カジュアルに。ブルゾンやダウンジャケットほどラフではない、キレイをキープしたまま程よい着くずしがかなう。
「埋もれるぐらいに」ふわふわストール
ツヤめく黒とフォギーなピンクで大人びた甘さへ。重みを感じさせないぐらい軽量のストール。センシュアルなサテンブラウスにぐるぐると巻きつけてあどけなさを残し、シックなトップスの可能性をさらに広げて。
自分が「よく着る色」にそろえてストールを投入
同系色でタイトなトップス+薄手の大判ストールをゆるく巻くテクニック。ごくシンプルなトップスも上品なムードに。
目を引きかわいい赤は、ともすると幼くなったり服から浮いて見えるなど、意外と使い方が難しい色。トップスも同色でそろえると、シンプルかつ大人っぽく。
起毛感のある小物をトッピング
コートを羽織る前に暖かさを足すべく、肌を隠す小物をアレンジ。毛足長めのマフラーとグローブで素肌をおおって、見た目の温度を上昇。落ち着きのあるグレーで選べば、ベージュニットのやさしい雰囲気を保ちながら、ほっこり感なくスマートさも維持。
使い方に変化球「ベージュとセット」で好きな色を
バイカラーなら巻き方によって面積を調整しやすいから、冒険色もとり入れやすく。オススメはコントラストがひかえめなベージュとの組み合わせ。
4.
薄手の大判ストールで「フロント交差のぐるぐる巻き」
ストールの魅力をさらに引き出すために。たらす・ひっかけるだけではない巻き方の基本をレクチャー。まずは首まわりにボリューム感を加える大判ストールの巻き方をご紹介。ストールのタイプは大判でも厚みがひかえめなぶん、巻き方次第で雰囲気を変えやすいしなやかなハイゲージ。
STEP-1
横幅がせまくなるよう意識しながら→無造作に束ねたストールを→首にぐるっとひと巻きしたあと→両端を長さがそろうようにフロントにたらす。
STEP-2
首にできた輪に手を入れて→ストールの片側をひっぱり→その引っ張った方でループを作る。
STEP-3
できたループをキープしたまま・・・
STEP-4
たらしていたもう片方のストールをつかんで→3で作ったループの中に引き入れる。
STEP-5
4でループの中に引き入れたほうの先端を引っぱって結び目のボリュームを調整。
FINISH!
全体の形を整えてフィニッシュ。
5.
「結び目は後ろで」キレイに巻く方法
無地はもちろんのこと、柄のストールもキレイに見える、カジュアルに見える結び目を背面ににした巻き方をご紹介。後ろ姿にも表情がうまれて、単調に見せない手の込んだスタイルにクラスアップ。
STEP-1
細めにまとめたストールを、首から均等にたらす。
STEP-2
両端とも背面にまわす。フロント部分に少し動きが出るよう、あえてラフにふんわりと巻くのがポイント。
STEP-3
後ろ側にきたストールを広げて、両端とも上のほうだけを持つ。
STEP-4
持ったところを小さく結ぶ。
STEP-5
ほどけるのを防ぐため、かた結びに。
FINISH!
前から見た際に結び目が隠れるよう、少し後ろに落としながらバランスを確認。残した部分が三角を描くようにすると、大きく結ぶよりボリュームがおさえられるうえ、デザイン性も高く。
6.
フリンジのアクセントを生かした「スヌード風巻き」
胸元から肩まで大きくまとうことで四方にあしらったフリンジが映えて、顔まわりの華やぎを強化。アンバランスなシルエットで抜けも出てほっそりとしたシルエットもなごむ。
STEP-1
右手で片方のすその先端だけを持ち、左手で残りのストール全体を支えて三角形を作る。
STEP-2
作った三角形がフロントにくるようにキープしながら、左手側を首に1周ぐるり。
STEP-3
ストールの長さによってはもう1周巻きつけて首元にボリュームを出す。
STEP-4
先端どうしを後ろで結ぶ。
STEP-5
結んだあとのすそがごちゃっと見えないように、首に作った輪の中に入れ込んですっきりと。スヌードっぽく見えたらOK。
FINISH!
仕上げに少し肩にかかるくらいまで輪を引き出すと、フリンジもキレイに広がる。