「服は変えずに印象が変わる」着回しの実例集
服は同じ・上下の服は組み合えずに、着方や小物を変えて、さりげなく印象を変える方法。時間のない朝やコーディネートに悩みたくない日などに役立つ、定番コーディネートのアップデートを計画。
(CONTENTS)
①タートルネックとワイドデニム
②白ざっくりニットと黒デニム
③グレースウェットとブルーデニム
④白シャツとスカート
⑤「差がつく」ハイネックワンピース
⑥「2色だけで」毎日違う12パターンの着回し
1
タートルネックとワイドデニム
さらにスタイルよく
→長めビスチェで切り替え位置をいっそう高く
ワイドパンツとシルエットをつなげたビスチェでくびれの位置を目くらまし。胸上から続く縦ラインで、いっそう脚長に。ビスチェのタイトなフォルムによってきちんと感も加味。
細身タートルに変化を
→質感を変えたタートルを仕込み印象を操作
シアーなイエローを要所からのぞかせた奥行きにつながるカラーブロック。コンパクトさゆえ、上になにかを重ねることが多かった細身のタートル。あえて下に重ねることで、デザインのような一体感のあるレイヤードが完成。さし色が入ったことにより、顔まわりもぱっと明るく華やかに。
上下のシルエットを逆転
→上をワイドに・下をコンパクトに
「コンパクトな黒+ぶかっとしたデニム」はそのままアイテムを入れかえるだけで鮮度が上昇。ビッグサイズのデニムシャツに、ニットレギンスをセット。脱力感が増したうえにメンズっぽさがおさえられるから、けだるい女らしさへシフト。トレンカタイプなら靴との一体感も図れる。
2
ざっくりニット+デニム
「普通すぎ」の脱却
→クラシックな飾りを足す
インナーのフリルをのぞかせつつ正統派なレザー小物を散らして細部にも配慮を。タックインしたニットにベルトも加えた着方がきちんと感をあと押し。
「腰から下」の形に変化をつける
→【スキニーでなくともブーツIN】
長くて細い黒ブーツによってゆるめデニムでもシャープなIラインが誕生。すらりとしたロングブーツによる緊張感で、足元を引き締め。スキニーなどタイトなパンツが定説だったところ、テーパードにすることで太ももにわずかなゆとりが残るから、気楽に見える隙は残せる。
「着る以外」の使いみち
→【ストールとは違うボリュームをニットで】
デニムONデニムに緩急をつけるための脇役としてニットを活用。Gジャンが再熱している今シーズンは久しぶりにデニムONデニムもあり。とはいえのっぺり感や無骨さが気になるから、ストールよりも表情が出せるニットを巻いて、単調に見えないニュアンスをメイク。
3
グレースエットとブルーデニム
カジュアルアイテムのスタンダード、スエットとデニムパンツをセットで着回し。どちらも薄めの色みを選ぶことで、重厚な秋冬の素材にも軽さを加えられる。 (着回した服) グレースエット/ユナイテッドアスレ(キャブ) デニムパンツ/ebure(LITTLE LEAGUE INC.)
スタイルアップ
→前だけタックイン+ 「V字アクセ」の視覚効果を利用
白Tシャツを少しのぞかせて上下の淡い配色を黒小物とともに引き締め。全体的にぼやっと見えがちなシルエットに、縦に落ちる大ぶりモチーフのペンダントでメリハリよく。フロントだけラフにタックインして脚を長く見せることでバランスアップ。
小物でドレスアップ
→グレーの延長でシルバーを飾る
煌びやかな小物も、グレーと同系色のシルバーなら浮かずにコーディネートになじむ。
着込まずに暖かく
→アウター代わりの「ビッグマフラー」
心地よい肌ざわりでプラスの効果を生む、風合いも長さも満ち足りたマフラーを。アレンジ次第で見た目にも変化がつき、マンネリも回避。
+タイブラウスで愛嬌を
→首元を正す「ノーブルなフリル」
からふんわりとリボンを立たせたブラウスをのぞかせて、見慣れた1枚に立体感を。ブラウスのリボンは、結ばずにタイとしてたらして着ても。
4
白シャツとスカート
正統派な白シャツと、ほどよい光沢感としなやかな風合いが特徴のレザーのフレア。すそにかけて広がっていくAラインシルエットが優雅な広がりを演出。 白シャツ 31,900円/TICCA カーキスカート 31,900円/サクラ(インターリブ)
ニットを羽織って輪郭をやわらかく
ニットのソフトな質感に似合う、落ち着いた深いベージュ。パリッとした白シャツと強気なレザースカートの緊張感をゆるめ、ワンツーの辛さをほどよいあんばいに。足元は黒にほど近い濃ブラウンで引き締めて、全体のバランスを調整。
「タートル」を仕込んでネックラインに変化を
白シャツの下に黒のタートルネックを重ねるひと手間を加えることで、エレガントな印象を強化。さらに手首からも黒を見せることでモノトーンのコントラストを利用し、ビッグなシルエットをシャープな印象へ転換。
「メンズライクなブルゾン」でキレイめ以外のバリエーション
ビッグサイズを味方につければ、Aラインにさらなる迫力が。濃紺デニムのまじめすぎず清潔感も保てる絶妙な色落ち具合とシルエットが、端正な佇まいにボーイッシュな変化をもたらしてくれる。
長い黒でシルエットを操作
ロングジレを羽織るだけでシルエットがフレアからリーンに変わり、一気に雰囲気が見違える。サイドスリットつきのものを選べば、黒で覆い隠しても重く見せない抜けを得られる。
5
黒のハイネックワンピース
カットソー感覚で着られる、薄手のニットワンピース。足首がのぞく丈を選ぶと間のびを防ぎ、足元の変化を楽しむこともできる。折り返さなくてもキレイに立つネックの高さと、体のラインを拾いすぎない適度なゆとり。 着回した黒ワンピース 39,600円/グラフペーパー(グラフペーパー 東京)
Iラインに変化をつける
→「+ビスチェとレーススカート」で甘く味つけ
体のラインが変わる同色の別アイテムを足すと、ワンピースの印象を保ったまま気になる間のびをセーブできる。ビスチェだけでなく、質感違いのフレアスカートを下にしのばせれば、ゆるやかなくびれが出現。しっかりと厚みのある編み地のニットビスチェ。軽い印象のチュールを下に仕込んで立体感を。
万能な「ワンピ+トレンチ」のセット
→合わせる靴で簡単に印象チェンジ
派手な色のスニーカーを仕込んでも正統派なワンピとコートの組み合わせだから、大人っぽさをキープ。靴を変えるだけでキレイにも、カジュアルにも。ボタンはとめずベルトでガウン風に、そでもぎゅっとまくってシルエットにメリハリを。
ワンピに好相性なスポーティ小物をセット
→+フリースベストで街向きのスポーティ
フリース特有の軽量素材と、余白のあるシルエットでノンストレスなスタイリングに。どう合わせたらいいか悩んでしまい、手が出しにくいノースリーブのベストは、ワンピと合わせることで大人っぽい印象へ変換できる。
シンプルな色を頼りに挑戦
→「気になる色」をポイントづかい
スマートに導く黒の直線的なボックスシルエットに、コントラストがつく真逆の赤をリップのように少量きかせてアクセント。美しいシルエットのじゃまをせず洗練された装いに引き上げる。
トラッドなカジュアルに味つけ
→レトロな小物で古着っぽく
古着屋に置いてありそうな柄や色みの小物を合わせることで、1枚完結のワンピがどことなく味のある雰囲気をかもし出す。キャップ、ジャケット、靴下は黒よりニュアンスが出る濃紺を合わせて、都会的な雰囲気に。
6
白と黒だけで「毎日違う」着回しの実例集
最後は、どんな組み合わせでもさまになりやすい、白と黒の2色だけでの着回し実例集をお届け。万能な白と黒、その中でも組み合わせに悩むことなく使えて、シンプルだけどオシャレに見える服を選抜。(※着回した服の詳細は記事末にあります)
ミニをカジュアルに
ロンTのゆるさを味方にスエットのようにシャツレイヤード。スエットでよくやる組み合わせをロンTでも。たっぷりとしたシルエットでも、ミニボトムならすっきり。+タイツで肌感を調整。
メンズっぽい大人の着くずし
紳士的なアイテムを男の子のように着くずしたメンズのかけ合わせ。正統派なものなら着くずしても大人。シャツの上下のボタンを開けつつ、片側だけをインしたすそのこなしでもうひとひねり。
親しみのわくハンサム
端正なオールインワンの抜けにストールがわりの白カーデのひと手間。1枚でも成立するオールインワンのさっぱり感を埋めるように、質感が効いたカーデを投入。ふわふわとした長い毛足が、スーツライクな黒をやさしく好転。
動きやすさもオシャレも両得
白多めで構成されたクリーンなスポーティLOOK。辛口なブーツの柄や、ハートモチーフのバッグなど、小物でクセを出してカジュアルな雰囲気にブレーキを。
ハズさず「きちんと・キレイに」
クラシカルに徹してモノトーンを味わい深く。ジレを起点になつかしいムードでまとめても古く見えないのは、素材やデザインなど、要所に今っぽさをとり入れたおかげ。
素材と丈にも差をつけて「白の膨張感を緩和」
ハイウエストパンツのはき口を隠さない程度のトップス丈。胸元のVネックでさらに切れ味よく。
コンパクトな上下+個性のあるアウター
リブにレザーにウールのジレ。全部質感を変えたことで、無地でも地味とは無縁の装いに。大きめのジレが体の線をそれとなくカバー。
奥行きが得られるシアーなタートルをインナー使い
首だけでなく、手元からもインナーをのぞかせて立体的に。ソックス+パンプスまで白っぽくまとめてものっぺり見えはなし。
まじめな中にも愛嬌を
ジレの間からロゴをのぞかせてかっちりとした装いを適度にハズして。カジュアルなロゴTとキレイめなジレといった真逆のテイストは、黒でそろえてまとまりよく。端正な面持ちの白パンツもラフなチノ素材で選び、ロゴだけ浮かないひと工夫。
クールな白黒でレディに
ミニを行儀よくこなすシャツとベストのレイヤード。ベストやシャツなど、きちんと着られるアイテムもラフに重ねることで、白黒配色も気張らず装える。端正なシルエットのロングブーツは、甘く転びがちなミニスカートを女性らしいまま大人っぽく見せるのに適役。
清潔感のあるリラックス
アウターがわりの白シャツでゆるみすぎず脱力。スタンダードな白シャツを引っかけて、力が抜けすぎない清潔感の残る気だるさを表現。インナーのスリムな黒タンクが白い上下の間のびを回避。
「上は軽く・下は重め」に
ウォーミィなコーデュロイでロンTに「重みを加算。トップスとボトムの質感や軽さに差をつけることでバランスアップ。コーデュロイのほんのりとしたツヤによる奥行きや、縦の畝も相まって、ゆるいフォルムでまとめてもどこかスマートさを残せる。