スタイリストが買ったのは? 「ココが変わった」新しいベーシックアイテムの選び方



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スタイリストたちの「週4バッグ」は?

日々、多くのバッグに触れるGISELeスタイリストたちの審美眼にかなったものは? 中でも「いちばん使える黒」に絞って、自分的ルールに基づいた選びのポイントや愛用の理由を聞き込み取材。 ※( )内の数字はサイズで縦×横×マチ、単位はcmです。 ※クレジット表記のないものはご本人の私物です。




【スタイリスト・渡邉恵子さん】

古きよきメンズスタイルに、女性ならではの品格やかわいらしさをとり入れた提案が得意、USブランドにも詳しい。

フィッシングバッグ 63,800円(編集部調べ)/ブレディ バニティバッグ 17,380円/メイ トゥエルブ

【SELECT RULE】
□「兼用できるサイズ・見た目」 □「長く愛せるプライスレスなもの」


「バッグには、使えるシーンや役割を2つ以上持つオールマイティさを重視。オフィスにもプライベートにも兼用できるバッグをずっと探していました。Bradyのフィッシングバッグ「ARIEL TROUT」は、レトロな見た目で、メンズっぽいものを女性が持っているというギャップもまた可愛い!


メイ トゥエルブのバニティバッグはリースに行ったときにひとめボレして購入。浅いデニムとキャメルのレザーの色合いがまさに直球。メイク道具入れ兼ミニバッグとして使っています。」(渡邉さん)




スタイリスト・樋口かほりさん

毎号表紙も担当するGISELeスタイリスト。大人に似合うカジュアルをモットーに、リアリティのあるアイテム選びの提案と肩の力を抜いて着られる、シンプルカジュアルなスタイリングは毎号多くの反響が。

SELECT RULE】
□何にでも合う黒か白 □メインもサブも担うトートを併用

「バッグは、どんな服にも合う「黒か白」の少数精鋭。どんなスタイルにもどちらかが必ずハマるのでよく似たフォルムで2色をそろえることも。ミニマルなデザインで、ビーサンを合わせたラフな服にもきちんと感が出て振り幅が広い。仕事の日は、いろいろな古着や雑貨屋さんで調達して集めたトートと併用して使っていて、コーディネートルームからのちょっとくらいの外出なら、目的に合わせてどちらかだけを持って出かけたりしています」(スタイリスト・樋口かほりさん)


吉田カバンとのコラボレーションにより生まれた名作、通称「青山バッグ」はコムデギャルソンの青山店でしか購入できないアイテム。職人がひとつずつ丁寧に生産するため、量産品にはない独特の味わいがでてくる名作。




【スタイリスト・出口奈津子さん】

ほんのりキレイめな印象もただよう、好感度の高いカジュアルスタイルを提案。

SELECT RULE】
□「とことん使い込んで味を出す」 □「肩こりしない小さめ&軽め」

「職業柄、重い荷物を持つことが多いのでバッグはミニでライトなものを愛用しています。シンプルなのにふつうじゃない見た目が好きで、ずっと偏愛しているAeta。このミニボストンは使い込むうちにシボ感がどんどん濃くなり、くたっとしてきました。

手帳と財布を入れてちょうどぴったりになるサイズ感で、プライベートな日にも出番多め。ミニマムだからいつものカジュアルな服にも浮かずにラフなスタイルの洗練度を高めてくれます」(スタイリスト・出口奈津子さん)




【スタイリスト・塚田綾子さん】

大人も試したくなる個性と遊びのあるアイテム選びを得意とし、デニム軸のカジュアルスタイルが人気。

SELECT RULE】
□「コンパクトに持てるミニ志向」 □「ファスナーなし、あっても閉めない」

「基本的には小さめ、かつファスナーがないものが好き。ふだんは、リップとお財布、カードくらいしか持ち歩かないのでLASTFRAMEのようなものにポイポイ詰めて持ち歩いています。毎年、配色が変わるマルチカラーなのが集めたくなる理由。伸縮性があるので、エコバッグとしても使っています。

VASICのバッグは、肩にかけたときに脇にぴったりおさまり、PCを入れても下に重心がいかず使い勝手がいいので仕事の日に重宝しています」(スタイリスト・塚田綾子さん)




【スタイリスト・岩田槙子さん】

シンプルな配色をしゃれて見せるテクニックに定評あり。身長150cm弱ということもあり私服も、スタイリングもスタイルバランスを最重視。

BAG’S RULE
□「好きなブランドを毎シーズン」 □「見た目で映えるデザイン性」

「愛してやまないHEREUは、ほかにない革のやわらかさや、絶妙なカラーが刺さって毎シーズン2〜3個ずつ追加しています。右のMoltaは、結び目のある持ち手と形の美しさが気に入り購入。左のSiniaは、久しぶりにななめがけの気分だったのでトラッドにもカジュアルにも振れるデザインと、ちょっとした小物などを入れる内ポケットのある機能面に惹かれました。黒ベースの私のワードローブに相性がよくて出番が多い2つです」(岩田さん)




街にも向く柔らかいパイル地

トートバッグ(34.5×43×21) 11,000円/ボングスタ(エディット フォー ルル)

「夏はTシャツ+デニムのコンパクトな装いが多いから、バッグでボリュームを。手触りのいい“くたっと”感で、着くずせるのがかわいい。汚れが目立ちやすい白ですが丸洗いできる、というのも大きなメリット」(樋口さん)




お勧めは「YAHKI」のバッグ

アイボリーレザーバッグ(24×20×12) 28,050円/ヤーキ(ヤーキオンラインストア)


「YAHKIのバッグはプライスもお手頃で上質、シンプルで使いやすいモノが多くおすすめ。トートも大きすぎず、小さい過ぎないサイズ感で、コーディネートの邪魔にもならない。シンプルで使いやすく、フォルムが可愛いモノが豊富。ほかにも日常使いにもぴったりなサイズ、デザインも多彩にそろいます」(岩田さん)




「薄型なのに」おさまりがいい

黒ショルダーバッグ(18.5×16×6.5) 24,200円/PIENI×Graphpaper(グラフペーパー 東京)

「PIENI×Graphpaperの別注。サイドのデザインが特徴的でシンプルな黒にもほどよい遊びが足せる。中がスエード地になっていて汚れにくいのもうれしいポイント」(渡邉さん)




シックな見た目のラフィア素材

かごバッグ(35×54×20) 23,100円/メイド イン マダ(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) 「ラフな素材をハズしとしてとり入れるのがすごく好き。メルヘンに転びそうだけれど、シックなカラーリングのラフィアなら、色も素材も浮かずに服に合わせやすい」(スタイリスト・船戸さん)



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新傾向は? ココが変わった「バッグの常識」

2025年春夏のランウェイで「バッグの新傾向」をキャッチ。デザインやカラー、持ち方など、コーディネートを格上げする、今季のトレンドを徹底解説。





どちらを選ぶ? 曲線VS.横長

柔らかな印象を与える「曲線フォルム」と、真面目さとカジュアルさを兼ね備えた「横長フォルム」がトレンド。




【曲線フォルム】
柔らかなラインが女性らしさを引き立て、コーディネートに優しさと抜け感をプラスする曲線フォルム。持つだけで親しみやすい雰囲気を演出。



Acne Studios

アクネ ストゥディオズのピンクバッグは、まるでフォーチュンクッキーのような遊び心あふれるデザイン。多彩なカラーバリエーションも魅力で、シンプルな装いにアクセントを加える逸品。軽やかな春夏スタイルとの相性も抜群。




RALPH LAUREN

トラディショナルなブランドならではの毅然とした佇まい。曲線的なフォルムにより、強さと柔らかさが絶妙に調和したデザインで女性らしさを引き立てる。




FENDI

2025年に創設100周年を迎えるフェンディからは、アクセサリー感覚で持てるワンハンドルバッグが登場。丸みを帯びたシルエットと上質な素材感。




Chloé

夏らしいクロシェバッグ。タンクトップや軽快なサマースタイルに合わせれば、一気に季節感あふれるコーディネートが完成。街にもリゾートにもぴったりのバッグ。




横長フォルム
シャープなラインが特徴の横長フォルムは、真面目さとカジュアルさを両立。スタイリングにモダンなエッセンスを。



MIU MIU

ミュウミュウの「アルカディ」の新作はスポーティな白いパイピングが特徴的。横長フォルムが洗練された印象を与えつつ、遊び心あるデザインでファッションフリークたちからも注目の的。




AMI PARIS

ヴィンテージ調なゴールドの装飾で気品あふれるニュアンスカラーが狙い目。上品でありながらも程よくカジュアルな雰囲気が漂い、大人の余裕を感じさせるデザイン。




TOD’S

トッズからは、新クリエイティブディレクターによる初の春夏コレクションとして登場した純白の横長バッグが話題。ミニマルながら存在感抜群で、どんなスタイルにも合わせやすい万能さも魅力。




RALPH LAUREN

V字カットが施されたシャープなデザインが特徴。洗練されたラインと高級感ある仕上げで、スタイリングにモダンな印象に。





「春夏にスエード素材」が新鮮

スエード素材のバッグが多く見受けられた今回のコレクション。徐々に薄着になってくる時期に、上質な起毛感がもの足りなさを軽減してくれたり、ショートボトムをはいたときの素肌に落ち着きをもたらしてくれたりと、長期に渡っての活躍も期待できる。




ISABEL MARANT

イザベル マランでは春らしいスエード素材のバッグが登場し、その軽やかな質感と柔らかなカラーリングが魅力です。ショートボトムスとの相性も良く、大人カジュアルスタイルにぴったりです。



BOSS〉

EMPORIO ARMANI〉



Stella McCartney

ステラからも環境配慮型素材によるスエード調バッグが登場。サステナブルファッションへのこだわりと洗練されたデザイン性が融合した逸品。





注目色は「オレンジ系」

キャメルカラーの延長線上でオレンジが浮上。肌なじみが良く、差し色としても活躍する万能色。




BOTTEGA VENETA

ベーシックカラーのトップスにオレンジのスカートとサンダルを合わせた、品を保ちつつも躍動感のあるコントラスト。




PRADA

シンプルながらも視線を引き付ける絶妙なカラーリング。モノトーンをはじめ、キレイ色の服にもなじみやすい。軽量かつ機能的な構造も魅力で、日常使いから特別なシーンまで幅広く対応。




HERMÈS

名作をオレンジカラーでアップデート。ピンクともベージュともとれるあいまいな色味で、クラシックなデザインを新鮮に。




LOUIS VUITTON

オレンジ系のキャメルカラーとゴールドチェーンが好マッチ。白Tシャツ+デニムのようなカジュアルに1点添えるだけで、リッチなムードに。





「品のいいアニマル柄」の復権

再注目されているのは装いにエッジを加えるアニマル柄。目立つ柄ではなく、同系色や型押しのクロコダイルやパイソン柄を中心に、シンプルスタイルアクセントを添えて。




JIL SANDER

キャメルのクロコダイル柄バッグは、ノスタルジックなカーディガンやミニマルな装いに合わせることで、クラシックとモダンを融合。柔らかなレザー素材と立体的なフォルムが特徴で、都会的なエレガンスを演出。持つだけで洗練された印象を与え、日常使いにも特別なシーンにも活躍。




DRIES VAN NOTEN

ドリス ヴァン ノッテンのパイソン柄バッグは、センシュアルな素材のドレスやトレンチコートと組み合わせることで、エレガンスとワイルドさが絶妙に調和。滑らかなレザーと洗練されたシルエットが特徴で、都会的でありながら自然を感じさせるデザインが魅力。





持ち方で差をつける「XLクラッチ風」

従来の肩掛けや手提げスタイルから一転、大きめバッグをクラッチ風に脇に抱えるスタイルが新たなムーブメント。そんな持ち方に相応しい、柔らかなレザー素材や丸みを帯びたフォルムのバッグが台頭。




MIU MIU

柔らかかなレザー素材。脇に抱えることでトラディショナルなデザインにモダンなエッセンスをプラス。カジュアルにもフォーマルにも対応可能で、スタイリングの幅も広がる。




JIL SANDER

バタークリームのような淡い色合いの立体的なスクエアバッグをクラッチ風に持ち、視線を引き付ける。シンプルながら存在感のあるデザインが特徴。




CHANEL

マットな黒バッグを脇に抱えるスタイルで、クラシカルなセットアップをモダンに昇華。チェーンストラップやキルティングデザインなどブランドならではのディテールが際立ちつつも、控えめなマット仕上げで引き締まった印象に。




Acne Studios

ボリューム感のあるポケット付きバッグをメンズライクに持ち、カジュアルながらも洗練されたムードに。




FERRAGAMO

ショート丈トップスの肌見せスタイルに、大きめのバッグを脇に抱えることで、露出度をさりげなく調整。実用性とファッション性を兼ね備えたスタイリング。




HERMÈS

「バーキン35」も持ち方で新鮮に。底部分を折り込みフラットにしてクラッチ風に持つことで、伝統的デザインがモダンに変身。高品質なレザーとタイムレスなデザインが特徴でありながら、新しいアプローチによってスタイリングに多様性を。




rokh

話題を呼んだ「GU」とのコラボレーションも記憶に新しいロク。リサイクル素材から作られたバッグは、環境への配慮と前衛的な美しさが融合。ジャケットスタイルやミニマルコーディネートに合わせることで、一気にインパクトある装いに。





自分らしさを表現する「デコレーション」

バッグにつけるチャームやミニポーチなど、自分だけの個性を演出する装飾にも注目。




Stella McCartney

ステラの新しいビーガン素材「ステラ ライダー」。サイズ違いのダブル使いで遊び心を。




FENDI

フェンディでは創設100周年記念として、多彩なチャーム付きバッグが登場。それぞれ異なるサイズ感やカラーリングのバッグ同士を組み合わせることで個性豊かなコーディネートが楽しめる。またチャーム使いによって手元に華やかさも。





ワントーンの引き締めに「ショルダー」を活用

ぼやけが気になりがちなあいまいな色のワントーンスタイル。その引き締め役の選択肢のひとつとしても。

ショルダーバッグをななめがけすることで、アクティブで凜とした女性像を確立し、ベルトと同等の締まりが誕生。