2色だけで「普通なのに可愛い」 スタイリストに聞いたシンプルな服の「合わせ方」

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ワードローブに欠かせない身近な2色“白と黒”。安定感のある組み合わせだけど、淡白さゆえ、ともすれば地味なだけ、キレイなだけにもなりかねない。定番の色合わせに差をつける、着方や選びのテクニックをGISELeスタイリストに聞き込み。




【NEWS!】
「シルエットを隠せる」ノースリーブ

WHITE
BLACK


≫【購入はこちらから】ノースリーブTシャツ 6,050円/GISELeオリジナル


着ていて気持ちがいいのに透けにくい生地、ボトムのシルエットやテイストに左右されることなく、アレンジも効く使い勝手のよさ、ぴったりせずともすっきり見える体型カバーにも優れたシルエット。

ほのかにツヤめくしっとりとした生地に加えて、半そでのなだらかなショルダーラインと少しアームを折り返した立体的なノースリーブのデザインで気になる重さを軽減。スリット入りの前後差でのっぺり感も回避できる。




オシャレ見えするモノトーン「スタイリングの種明かし」

夏のモノトーンをよりカッコよく仕上げるために。それぞれのスタイリングを担当したスタイリストによる解説を参考に、スタンダードな組み合わせのリフレッシュを図って。


【STYLIST MEMBERS】
渡邊恵子さん/USブランドにも造詣が深く、レイヤードに適したインナーも多数所持。 樋口かほりさん/表紙も担当するおなじみGISELeの看板スタイリスト。 出口奈津子さん/リラクシーでカジュアルなスタイルに、好感度が漂う提案が得意。 船戸唯さん/ベーシックを軸に、辛口ムードが残るコーディネートに定評アリ。





1
「サイズ感」で気張らずスタイルアップ



黒にはより引き締め力を

メンズライクな装いが好みですが、スタイルアップも常に意識。ミニマルな黒タンクをパンツの締め役として」(渡邊さん)




白には着やすいゆるさを

Tシャツは余裕のあるサイズで、プリントがボディラインのカバーにも貢献。ラフなアイテムだけでも、黒はタイト、白はゆったりのバランスにすることで、おのずとヘルシーな色気が生まれ、カジュアル以上に仕上がります。(渡邉さん)




2
想像とは違う組み合わせで脱無難



スタイルUPもカバーもできる組み合わせ

「コンパクトな黒のトップスに、ルーズなシルエットのハイウエストパンツ。トップスをINして余ったウエストをベルトでキュッと絞る。それだけでスタイルUPも脚線カバーもできて、バランスのいい仕上がりに。ベルトは教科書どおりにきちんと巻かず、フランクに巻くと抜けが出て力みのないモノトーンに」(樋口さん)




定番からずれてみる

「ボリューミィなトップスは、細身ボトムを合わせがちですが、フレアパンツにすることでありきたりを回避。白黒ならMIXスタイルもちぐはぐに見えません」(樋口さん)




3
自然な素肌見せで抜け感を出す



きちんと着るのに抜けがある

「服に白と黒の2色しかないぶん、素肌感がいっそう生きてくる。Aはシャツもパンツもアレンジを加えずきちんと着ているため、足元は対照的に素肌がのぞくパンプスで軽やかに」(船戸さん)




シンプルなままメリハリが誕生

Bのようにそぎ落とされたIラインや、Cのさらりと着ただけのトップスは、そでをまくることでスタイリングに動きが出て、“着せられている”感がなくなります」(船戸さん)




4
「+αの色と素材」でお堅い2色を印象操作



アクセント未満な+淡色

「変化をつけるときも、白黒のクリーンな印象は維持したい。AのベージュジャケットやBのネックからのぞかせたブルーグレーのTシャツは、主張しすぎず、白と黒のコントラストに落ち着きをもたらします」(出口さん)




+ラフな素材で息抜き

Cのようにキレイめな足元のカジュアルダウンには、何にでもとけ込めるデニムが優秀。Dのような夏らしいバッグも、モノトーンならほっこりせずに楽しめます」(出口さん)




5
スタイリスト的「服とヘアメイク論」

ベストなスタイリングを届けるべく、撮影現場ではヘアメイクにも鋭い感性を発揮する樋口さん。モノトーンに合わせたい、スタイリスト目線のヘアメイクとは?



スリーピースを特別にしない無造作ヘア

「正統派な服を日常で着るときは、ノーメイク、ノーアクセくらいが好み。服からメイクまで全部を完璧にせず、どこか余裕を残しているほうが、ちょうどいい洒落感につながると思います」(樋口さん)




カジュアルな日こそメイクの力を借りる

「基本的にはラフなヘアメイクが気分ですが、たとえばボーダーのTシャツであれば、きりっとしたアイブロウや、リップに色みを足すのもかわいい。服とのトータルバランスで考えています」(樋口さん)




それだけで洒落る。合わせを選ばない「白ネイル

「ネイルも白にすることで、モノトーンの服を大人っぽく保てる。加えて、ナチュラルなメイクにもしっかりめのメイクにも似合う。ヘアメイクとの相性の良し悪しがない、幅の広さが魅力的」(樋口さん)




6
「Tシャツでオシャレな人」がやっていること

シンプルなのに洗練された雰囲気をかもすファッショニスタを観察。数百点のルックの中からスタイリストの目にとまったスタイリングにヒントを拝借。




ワンツーなのに気品が漂う

「アイテムのサイズ選びが魅力的なスタイリング。コンパクトなTシャツと、ほどよくゆとりのあるスラックスを合わせたシルエットが巧み。タイトなヘアも効いて、アイテム数が少ない中でも高い完成度を感じます」(船戸さん)




サングラスでさし色が新鮮

「赤みがかったサングラスが、モノトーンの美配色を維持しながらも、さりげないアクセントになっています。よく見るとバッグも深緑で、レザーパンツの強さがマイルドに。深みのある色ならさし色もトライしやすい」(出口さん)




メンズサイズの余白でコンパクトな白Tに動きを

「とりあえず着るだけでも今っぽいビッグシルエット。体が泳ぎ、余白部分がなびいて服に動きが出るため、色が単調でも退屈さがない。おへそ出しや黒の小物で締まりどころはつくっているのがポイント」(樋口さん)




涼しい季節にALL黒のインパクト

「黒だけなのに重苦しさがない、肌見せ加減が絶妙です。このトップスはネックがかなりつまっていて、そでも長めの五分丈なので、Tシャツよりも均整のとれたルックスに。品もさわやかさもそなえられています」(渡邉さん)




ロゴでレースをカジュアルダウン

「ロゴTにレーススカートを合わせることで、白の中でも素材とテイストに差がつき、ぼやけを回避。スエードブーツや、腕だけを通したジャケットの着方が、ロマンティックなスカートをカジュアルにしてくれています」(出口さん)




7
夏こそ主役は「短い黒」

装いがシンプルがゆえに「バランス」が不可欠な夏の装い。重くなりがちな黒も「短い」ことで軽く見え、さらにハイウエストのスカートやパンツを合わせれば必然的にスタイルUP。そんな「短い黒が入ると上手くいく」コーディネートの実例。



メリハリに効く「スーパーショート」

黒シャツ 14,000円/バナナ·リパブリック 白スカート 30,800円/プルミエ アロンディスモン、黒バッグ 25,300円/イヌエ(ともにプルミエ アロンディスモン) 頭に巻いたスカーフ 22,000円/マンテロ(エストネーション) パールイヤリング 13,200円/アビステ 白サンダル 72,600円/PELLICO(アマン)


着心地のよさはそのままに、動きに合わせて肌が見え隠れする短め丈でワイドな形のシャツを切れ味よく。ボトムとの相性も選ばないから組み合わせも無限大。開襟やそで丈、リネンのドライな風合いなど、さわやかに着られる風合いで、黒の重たさをカット。




ボトムに頼らず「ウエストがくびれて見える」

黒ブラウス 74,800円/サヴィル サヴィ モカパンツ 39,600円/SACRA(インターリブ) ベージュバッグ 37,400円/VASIC(ヴァジックジャパン) サンダル 10,780円/LE TALON(ル タロン 有楽町マルイ店)


タイトなボディに対して広がるすそで、ほっそりとくびれたウエストを生むXラインブラウス。フレアシルエットで気になる甘さは、すっきりとしたノースリでシャープに緩和。つつましく整列した白ボタンには、行儀のいい見た目と縦長な印象を加算してくれるメリットも。さらっと着られて、ストレッチ性まである上質なリネン素材。




短い丈のコンパクトな長そで

黒ショートニットカーディガン 23,100円/エディット フォー ルル 白リブニットスカート 18,700円/プランクプロジェクト(プランクプロジェクト 青山店) バッグ 15,400円/ACOC(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) ミュール 44,000円/ダブルスタンダードクロージング(フィルム) シルエットではなく素材で上質な余韻を演出できる、薄手でしなやかなニットの風合い。


小さな違いで大きく差がつく、腰よりやや上のショート丈。形やデザインに少しの緊張感を含ませてきちんと着ると、見慣れたカジュアルな服でも背筋がのびて、着飾るワクワクを体感できるはず。




「ジャケットよりも涼しい」上品な黒ジレ

黒リネンジレ 35,200円/プルミエ アロンディスモン 白リネンハーフパンツ(5月下旬発売) 15,000円/バナナ·リパブリック 中に着た黒キャミソール 8,800円/Spick & Span(スピック&スパン ルミネ有楽町店) 黒バッグ 3 3,000円/ラシット(ラシット 西銀座店) ローファー 16, 390円/A de Vivre


ノースリーブやタンクトップにさっと重ねて、品を上乗せできるジャケット風のジレ。ライトに着やすく、かさっとしすぎず美しいドレープ感も表現できるリネン素材。留め具がフック仕様のノーカラーデザインは、薄着でもきりっと引き締まるシャープなネックラインを形成。




ジャケットは「とろみ素材の5分そで」で軽やかに

ハーフスリーブジャケット 13,990円/UNFILO バングル 9,500円/COS(COS 青山店)


とろみ素材が、リラックス感に一役。ハーフスリーブのジャケットは、かっちりしすぎず「きちんと感」はキープできる。程よく余裕を持たせたシルエットと、手首が見えることで得られる抜けのバランスが、黒でも重く見えない理由。+デニムを合わせた、ラフとクリーンの絶妙な境界を保つことで、黒ジャケットも今の気分に。




カッティングが美しいベロアトップス

ベロアトップス 14,300円/ガールズソサエティ 黒ウールパンツ 30,800円/HER. ネックレス 590円/GU バッグ 19,800円/パピルス(アイネックス) ブーツ 28,600円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)


構築的なボリュームスリーブが際立つ黒のトップスは、一見シンプルながらも、計算されたディテールが着る人の存在感を高めてくれる。デコルテをきれいに見せるハートネック、そっと丸みを帯びたショルダーライン──直線と曲線のバランスが、強さとやわらかさを同時に叶える。




見た目も着心地もクールなショートパンツ

ショートパンツ 36,300円、バッグ 7,700円/ともにダイワ ピア39(グローブライド) ニットベスト 29,700円/スローン(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) ローファー 32,000円/バナナ・リパブリック その他/スタイリスト私物


悪天候にも強い、ゴアテックス素材を採用した軽やかなショートパンツ。上はトラッドなチルデンニットなのに“優等生”になりすぎないのは、合わせたボトムがしゃかしゃかとしたアクティブなショートパンツだから。真逆のテンションを掛け合わせることで、まじめなモノトーンに個性をもたらす強さを加算。




ALL黒を軽量化する「小粒の白ドット」

黒白ドットブラウス 33,000円/aLORS 黒パンツ 7 9,200円/ヴィンス(コロネット) サングラス 48,400円/プロポ(プロポデザイン) バッグ 6,490円/Gap パンプス 31,900円/TSURU By MARIKO OIKAWA


ボリューミィな七分丈のパフスリーブブラウス。背中は、首元のリボンからスリットのように開くバックオープンタイプ。小粒な白をランダムに散りばめたドット柄は、飾るためだけではなく軽さを出すためにも好都合。素材は光沢感とハリ感をそなえた厚みのある生地で透ける心配もなし。