親しみやすい、品がいい、凜としていてクールなど…。スタイルを決定づけるうえで、髪も大事な要素のひとつ。ストレートかウェーブか、質感はドライかツヤか。髪のニュアンスだけで見違えるアイディアの数々と、注目のプロダクトを掘り下げます。
「めざす女性像別」ニュアンスヘアの作り方
人気ヘアメイク・塩澤延之さんに、1人のモデルでイメージ違いのスタイリングをオーダー。ウェーブとストレート、ドライとツヤ。それぞれをどのように捉え、組み合わせて作る?
(ヘアメイク・塩沢延之さん)
mod’s hair所属。表紙をはじめ、GISELeのファッションページのヘア&メイクを多数手がける。飾らないのにカッコいい女性像に落とし込む足し算・引き算のバランスが絶妙。
【SIDE-A】
イメージはシャープでカッコいい女性
1_N. ポリッシュオイル 150mL 3,740円/ナプラ パサつきや広がりが気になる髪にうるおいとツヤを与える。 2_N. オム アクアグリース 100g 2,200円/ナプラ のびがよく、タイトからウェーブまで幅広いアレンジに対応。(ともにサロン専売品) 白Tシャツ 7,150円/ローラス(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)
【HOW TO STYLING】
「手ぐしで髪の絡まりをほぐしたら、1のオイルをつけていく。髪を根元から3分割にし、毛先からまん中にかけては軽め、ハチから根元にかけては多めに塗布。根元は2のグリースを混ぜ、耳横の髪の色よりもワントーン暗くなるように濡れ感を加える。毛先からオイルをつけるのがポイントです」(塩沢さん)
【SIDE-B】
イメージはヘルシーで自然体な女性
S&L シーミストスプレー N(シーソルト&ラベンダー) 2,750円/ジョンマスターオーガニック 海から上がったあとのような無造作感を演出。保湿しながら、自然なボリュームを与えてマットな質感へ。
【HOW TO STYLING】
「髪の毛をねじりながら巻くツイスト巻きに。コツは毛束を均一にとらないこと。少ない毛束で巻いたところと多めの毛束で巻いたところをランダムにMIXすれば、気張った感のないカジュアルな見た目に。ブラッシングをしてウェーブをほぐしたら、シーミストスプレーを全体に振って完成」(塩沢さん)
ヘアスタイルはメイクとセットで考える。
「ラフに見せるための作り込み」がオシャレな抜け感につながる」
「〈上〉はシャープで辛口、〈下〉はヘルシーで自然体な女性をイメージしました。テンションの違う2つですが、ともに抜け感が出るように手を加えていて、それによって大人の品とこなれた雰囲気を両立できます。ストレートヘアは、手ぐしで髪をとかしてキマりすぎないように調整。質感がウェットというだけで手が込んで見えるし、白Tの飾らないよさを生かすためにも、毛先をキレイにまとめる必要はないと思っていて。
こだわっているのはオイルのつけ方。根元部分は髪色が暗く、毛先に向かって明るくなっていると気づくはず。それは、根元からハチにかけてはオイルとジェルのW使いでしっかりツヤを出しているから。濡れると暗く見えるという光の性質を利用して、毛先にかけてオイルの量を減らしていき、明るいトーンを保って意図的にグラデーションをつくっています。そうすることでできた色ムラが、抜け感を演出するんです。
ウェーブヘアのポイントは、ずばりキレイに巻かないこと。不均一なカールを作ってくせ毛っぽく見せています。エアリーな髪と相まってラフに見えるメイクですが、ルーズな印象に傾きすぎないように工夫しています。クマをきちんとカバーしたり、日焼け風にチークを入れてヘルシーだけれど上品な血色を表現したり……。どんな女性像に近づきたいか、服をどのようにテーマづけるのかを決めたら、ヘアとメイクの双方を足したり引いたりしながらつくると、バランスのとれた仕上がりになると思います」(塩沢さん)
塩沢さんが現場で欠かさないコスメ
長年愛用しているスプレー
「巻いた髪が取れやすい人や湿気が多いときにすぐにヘアスタイルが戻ってしまう髪質でも、ヘアスタイルがしっかりキープもできる定番スプレー。スプレーの量で質感も変わるので柔軟に使えるのもポイント」(ヘアメイク・塩沢さん)
軽い霧状スプレーでムラなく均一に塗布でき、髪をガチガチに固めたり乾燥させたりすることなく髪にしっかりとしたホールド力をもたらす。スプレー後にブラッシングしても白くならずに髪が簡単にほぐれる。「エルネット ピュール」は香りが気になる人向けのは無香料タイプ。
ダメージを防ぎナチュラルな見た目に
「オイルのベタつきが気になる、パサパサで悩む。そんな人にお勧めしているのがコレ。最近よく見るヘアオイルは光沢が強く、人工的な質感を作り出すものが多いのですが、これは作り込み過ぎていない自然な見た目に仕上がるのでオススメ。僕のサロンでも絶賛愛用中です」(塩沢さん)
超高圧処理した3種の植物オイルが髪の芯からうるおすヘアオイル。さらっとしたテクスチャーなので、オイルのベタつきが苦手な人でも安心して使用できる。
「塗ってない感」をつくる肌のコーディネート法
「髪とメイクはセット。その基本は言わずとものベースメイク。このコントロールカラーは肌の色みをうまく調整してくれるのでファンデが少なくてすむ。さらに油分が少なめなので、油分の多いシャネルのファンデと好相性です。仕上げのパウダーも少なくてすみ、地肌のような質感がつくれるから好き」(塩沢さん)