スタイリストに聞いた「たった2色でなぜかオシャレ」のテクニック


ワードローブに欠かせない身近な2色“白と黒”。安定感のある組み合わせだけど、淡白さゆえ、ともすれば地味なだけ、キレイなだけにもなりかねない。定番の色合わせに差をつける、着方や選びのテクニックをGISELeスタイリストに聞き込み。


STYLIST MEMBERS
Keiko Watanabe , Kaori Higuchi , Makiko Iwata , Natsuko Deguchi , Yui Funato



なぜか目を引く「違いを出すのがうまい人」

シンプルなのに洗練された雰囲気をかもすファッショニスタを観察。数百点のルックの中からスタイリストの目にとまったスタイリングにヒントを拝借。

「ぼやけがちな白をクリアにする黒の縁取り」

白で避けられない膨張問題。かつ気張ったミニ丈だけど、左のルックは黒のラインデザインで引き締めたり、右はマントのように羽織ったアウターが露出の軽減も担っている。囲うような黒でメリハリが出せます。(岩田さん)




「ワンツーなのに気品が漂う」

アイテムのサイズ選びが魅力的なスタイリング。コンパクトなTシャツと、ほどよくゆとりのあるスラックスを合わせたシルエットが巧み。タイトなヘアも効いて、アイテム数が少ない中でも高い完成度を感じます。(船戸さん)




「サングラスでさし色が新鮮」

赤みがかったサングラスが、モノトーンの美配色を維持しながらも、さりげないアクセントになっています。よく見るとバッグも深緑で、レザーパンツの強さがマイルドに。深みのある色ならさし色もトライしやすい。(出口さん)




「Iラインをなごませる、ほっこりするもの」

スリットスカートが印象的な、女性らしいタイトシルエット。そこに黒縁眼鏡やポロシャツ、白ソックスと、どこかなつかしげなアイテムをとり入れていて、上品さがありながらもチャーミングなルックです。(樋口さん)




「正反対がちょうどいいバランス」

ハードなレザーパンツとごつめのブーツに、正反対な甘めのパフスリーブをミックスすることで、お互いの印象が中和。インパクトの強いものどうしですが、ヴィンテージな趣を感じるスタイリングとして成立。(樋口さん)




「メンズサイズの余白で動きをつける」

“とりあえず着る”だけで洒落てしまうビッグシルエット。体が泳ぎ、余白部分がなびいて服に動きが出るため、色が単調でも退屈さがない。おへそ出しや黒の小物で締まりどころはつくっているのがポイント。(樋口さん)




「シューズだけ色違い」

パンプスを白にすることでセットアップの力が抜けて、黒の中に小さく白を配したバランスもかわいい。目立つ色を投入するとき、シューズだと無理して足したという感じがなく、自然なアクセントになります。(渡邉さん)




「ロゴでレースをカジュアルダウン」

ロゴTにレーススカートを合わせることで、白の中でも素材とテイストに差がつき、ぼやけを回避。スエードブーツや、腕だけを通したジャケットの着方が、ロマンティックなスカートをカジュアルにしてくれています。(出口さん)




「上品さに直結するくるぶし丈」

ルーズなファッショントレンドが続く中、ワイドパンツではなくあえてクロップトパンツにすることで洗練度が増して見えると思います。オーバーサイズのジャケットもだらしなく転ばず、大人っぽいハズしに。(渡邉さん)




「カジュアルなフォルムでドレスアップ」

ツヤのあるシャツと、シアーなスカートという特別感のある質感のレイヤード。どちらも適当さのあるずるっとしたシルエットだからこそ、日常でも浮くことなく着られます。素材とフォルムの生かし方が秀逸。(出口さん)




「大きめバッグでラフさをセーブ」

薄手のシャツとショートパンツに、ずっしりとしたレザーバッグを添えることで重厚感を補填。暑くなり、装いが軽くなって心もとないときには、これくらいボリューミィなバッグを合わせるのが好バランス。(船戸さん)




「涼しい季節にALL黒のインパクト」

黒だけなのに重苦しさがない、肌見せ加減が絶妙です。このトップスはネックがかなりつまっていて、そでも長めの五分丈なので、Tシャツよりも均整のとれたルックスに。品もさわやかさもそなえられています。(渡邉さん)




「盛りに盛ってもまとまりがある」

頭に巻いたスカーフや黒縁眼鏡、首元にはえりとネックレス。やりたいことを全部つめ込んだような、ポイントが多いスタイリング。それでも統一感があるのは、頭からつま先まで黒でまとめたIラインだから。(岩田さん)




「オシャレをわかっている人」

ヘアも含め、すべてをきちんと着ているスーツスタイル。単純なお仕事ルックにならないのは、ローライズですっきりさせた腰まわりや、太すぎず細すぎずなすそを甲までかぶせたパンツの美バランスのおかげ。(岩田さん)




「リラクシーな深スリット」

落ち感のあるまっ白なマキシ丈に、深いスリットが映えるドレッシーなデザイン。一見するとハードルが高いアイテムですが、足元は力みのないミュールを合わせることで、気どらずに親しみやすいスタイリングに。(船戸さん)




なぜオシャレ? 「あのスタイリングの種明かし」

過去のGISELeに登場したモノトーンスタイルをふり返り。担当スタイリストによる解説を参考に、スタンダードな組み合わせのリフレッシュを図って。



Keiko Watanabe
「“色を生かすサイズ”で気張らずスタイルアップ」

□「黒にはより引き締め力を」

□「白には着やすいゆるさを」

メンズライクな装いが好みですが、スタイルアップも常に意識。Aはミニマルな黒タンクをパンツの締め役として。BのTシャツは余裕のあるサイズで、プリントがボディラインのカバーにも貢献。ラフなアイテムだけでも、黒はタイト、白はゆったりのバランスにすることで、おのずとヘルシーな色気が生まれ、カジュアル以上に仕上がります。(渡邉さん)




Kaori Higuchi
「“想像とは違う”組み合わせで脱・無難」

□「真逆のテイストをMIX」

□「定番からずれてみる」

同じテイストでまとめるのもステキ。でも、少し違うものを足すことでより“オシャレな人”に見えるし、ファッションを楽しんでいる感覚になれる。Aは正統派な上下にフランクなベルト。Bのようなボリューミィなトップスは、細身ボトムを合わせがちですが、フレアパンツにすることでありきたりを回避。白黒ならMIXスタイルもちぐはぐに見えません。(樋口さん)




Natsuko Deguchi
「“+αの色と素材”でお堅い2色を印象操作」

□「アクセント未満な+淡色」

□「+ラフな素材で息抜き」

変化をつけるときも、白黒のクリーンな印象は維持したい。AのベージュジャケットやBのネックからのぞかせたブルーグレーのTシャツは、主張しすぎず、白と黒のコントラストに落ち着きをもたらします。Cのようにキレイめな足元のカジュアルダウンには、何にでもとけ込めるデニムが優秀。Dのような夏らしいバッグも、モノトーンならほっこりせずに楽しめます。(出口さん)




Yui Funato
「“自然な素肌見せ”で抜け感を出す」

□「きちんと着るのに抜けがある」

□「シンプルなままメリハリが誕生」

服に白と黒の2色しかないぶん、素肌感がいっそう生きてくる。Aはシャツもパンツもアレンジを加えずきちんと着ているため、足元は対照的に素肌がのぞくパンプスで軽やかに。また、Bのようにそぎ落とされたIラインや、Cのさらりと着ただけのトップスは、そでをまくることでスタイリングに動きが出て、“着せられている”感がなくなります。(船戸さん)




LEVEL UP! もっとよくなる「スタイリスト的ヘアメイク論」

ベストなスタイリングを届けるべく、撮影現場ではヘアメイクにも鋭い感性を発揮する樋口さん。モノトーンに合わせたい、スタイリスト目線のヘアメイクとは?

「スリーピースを特別にしない無造作ヘア」

正統派な服を日常で着るときは、ノーメイク、ノーアクセくらいが好み。服からメイクまで全部を完璧にせず、どこか余裕を残しているほうが、ちょうどいい洒落感につながると思います。(樋口さん)




「カジュアルな日こそメイクの力を借りる」

基本的にはラフなヘアメイクが気分ですが、たとえばボーダーのTシャツであれば、きりっとしたアイブロウや、リップに色みを足すのもかわいい。服とのトータルバランスで考えています。(樋口さん)




「それだけで洒落て、合わせを選ばない白ネイル」

ネイルも白にすることで、モノトーンの服を大人っぽく保てる。加えて、ナチュラルなメイクにもしっかりめのメイクにも似合う。ヘアメイクとの相性の良し悪しがない、幅の広さが魅力的。(樋口さん)




スタイリスト・岩田槙子さんが考える 「心地のいいモノトーンのつくり方」

GISELeスタイリストの中でも、とくに多くの白黒企画を手がける岩田さん。これまでのスタイリングをふり返りながら、こだわりやお気に入りを教えてもらいました。



「上品であることが大鉄則」

a「白へとつなぐサイドスリット」

b「甲までかぶるスラックス」

c「黒をちりばめて白を着る」

品があることは絶対にゆずれないし、スタイルもよく見せたい。そのために意識しているのは、見ていて心地のいい“流れ”です。白と黒は正反対な色なので、組み合わせたときに分断されて見えがち。そうならないための選びを心がけていて、たとえばaの黒トップスは、サイドにスリットが入っているおかげで、フレアスカートとすんなりなじむ。実はシューズもタン部分が白なので、スカートと色をリンクさせたことで、別々の3点にまとまりが生まれます。bのような長め丈のパンツは、それだけで縦に流れてくれるので重宝。cは、ヘアターバンやショルダーバッグを使って上半身にも黒を散らすことで、白トップスと黒パンツという上下の途切れを感じさせないようにしています。肩かけしたバッグのショルダーは、視線を縦に流す効果もあり。




「お気に入りの黒小物の数々」

d「Iラインを強めるサスペンダー」

e「締めて流すレースアップブーツ」

f「ロングブーツで2つの顔」

dで使ったサスペンダーも縦の流れをつくれるうえ、トラッドなアイテムはどう転んでも品が出るので便利。黒は白よりも重みがあるぶん、このような白をベースにしたスタイリングには、黒を小さくとり入れるバランスが気分です。小物だと、eではいているようなレースアップブーツがずっと好き。つま先から足首に向かって視線が上に向いていく感じが気に入っていて、このスタイリングは、ブーツ→ベルト→シアーTシャツに仕込んだインナーへと、全体を小さな黒でつないでいます。fのようなロングブーツも好みで、私自身がワイドパンツをよくはくため、ルックのようにすそのIN・OUTで違ったスタイリングを楽しんでいます。INスタイルは難しい印象があるかもしれませんが、黒どうしならまとまりがよく、足元に奥行きが生まれます。




「偏愛なるVネック&かわいいもの」

g「上品な肌見せがかなうVネック」

h「白が落ち着くシャープな黒V」

i「えりを足してももたつかない」

j「開襟でALL黒を軽快に」

k「レイヤードの仕上げはリボン」

l「なつかしげな小花のクロシェ」

m「アクセサリーを好きなだけ」

もう1つ欠かせないのが、Vネック。gのように潔く肌を見せて着るのはもちろん、深Vの黒シャツの下にロンTを着たhや、ステンカラーコートを羽織ったiのようなアレンジスタイルもできて使いやすい。首元は全体のバランスを見つつ、開けるかつめるかのどちらかにすることが多く、jはALL黒を軽くするため広めに開襟。このスタイリングは質感にもこだわっていて、光沢や起毛素材をレイヤードすることで、黒1色の中に抑揚をつけました。白黒特集を担当するときは、やってみたかった甘いデザインに挑戦できるのも楽しみ。kのリボンビスチェや、lのクロシェニットは、白黒だから気恥ずかしさなくまとえるし、mのようないっぱいのアクセサリーも許容してくれる。いつも以上にオシャレの幅を広げられるのが、モノトーンの魅力ですね。