GISELe

2021/08/29

失恋とは「未来の私」が失われること丨東大卒恋愛ライターが「失恋の乗り越え方」を指南!

GISELe編集部

失恋で失われたのは「未来の私」

東大卒・会社員兼恋愛ライターという経歴を持つジェラシーくるみさんが、自身の経験に基づいてお送りする書籍「恋愛の方程式って東大入試よりムズい」から、特別にエッセイを公開。第二回は、「大失恋を乗り越えるために」必要な処方箋を解説します。

ジェラシーくるみさん

東大卒の夜遊び職人。昼はしがない会社員。恋愛や美容、女性の生き方に関する内容でウェブ媒体を中心に連載を持つなどライターとしても活躍。 恋愛や人間関係を分析するツイートが人気で、Twitterフォロワー数は約5.4万人。初書籍『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』が好調発売中。

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失恋で失われたのものは、「未来の私」

“別れた元カレに未練があります。どうすればこの失恋から立ち直れますか?”
「失恋」と聞いて思い浮かべるパターンはさまざまです。
好きだった人に告白してフラれた、とある事情で恋人と別れてしまった、信じていた恋人に裏切られて別れを選んだ、想いを寄せていた人にパートナーがいることを知り諦めた――胸が張り裂けそうになって、今もなお心の傷が癒えない失恋女子たちにちょっと聞いてほしい。
失恋は恋を失うと書きますが、本当は恋を失ったわけじゃない。失われたものは、未来の私。「そこにいたかもしれない私」が永遠に失われたのです。

あの人が話すエピソードにおなかを抱えて笑う私。映画館のエスカレーターで前後に乗り、興奮気味のあの人と映画の感想を言い合う私。あの人といっしょに砂浜を歩き、これまでとこれからのふたりについて語り合う私。
まぶしいくらいの楽しい思い出、吐き出さずにいられないつらい出来事、日常にあふれている小さな幸せ。まだ見ぬそれらをあの人と共有し、あの人の隣で人生を歩んでいたかもしれない「未来の自分」を失ったのです。
そんな「未来の私」が成仏せずに悪霊となって、「今の私」の肩に乗っかっている状態のことを「失恋」といいます。
失恋後の「私」の成仏については、まず「死の受容」の説明から。


「死の受容」研究から失恋を紐解く

古今東西、「死」についての研究がなされてきた中で、自分の死を宣告された人がたどる精神プロセスについて臨床研究を重ねた博士がいます。彼女の名前はエリザベス・キューブラー・ロス。
末期患者200人と向き合い、死の受容に関するモデルを唱えた『死ぬ瞬間』という著書は1969年に発表され、世界的ベストセラーになりました。
そのフローは以下の通りです。

1.否認 ショックを受け、嘘だ、何かの間違いだと否認する。
2.怒り 病にかかったのがどうして私なのだ!と怒りや憤慨の感情を覚え、周囲にあたるようになる。
3.取り引き 死を回避できないか、命を延ばすことはできないかと神や仏にすがり、現実逃避に近い模索を始める。
4.抑うつ もう何をしても死から逃れられないのだと悟り、絶望や悲しさに支配される。
5.受容 十分になげき悲しんだあと、憔悴してほとんどの感情や執念がなくなり、死(という運命)に対する諦めを覚える。

もちろん失恋と死を前にした患者の精神を比較するなんて乱暴な論は許されないことを承知で、それでも私は、このプロセスには学べるものがあると思っています。
失恋を自覚(=否認を終えた状態)だとすると、暗い気持ちに襲われながら、「なんで私じゃダメなの」「どうしてあの子なの」「なぜ今なの」とあらゆる人やものやタイミングに怒りと悔しさを感じるでしょう。
そこで怒り疲れてフッと気持ちが途切れる人も多いですが、「もしかしたらまだ希望はあるのでは」「私が○○したら結果は変わるのでは」と可能性がゼロに近い架空の物語(=取り引き)を頭の中で100万回ほど繰り返します。
それでもまだ想いが捨てきれない人は、「何があってもあの人の隣で笑う私には会えない」とようやく現実を認め、ひたすら深い悲しみに沈みます(=抑うつ)。
キューブラー・ロスの提唱したモデルにのっとると、その悲しみの果てに諦めに近い境地「受容」が待っているのですが、多くの失恋女子たちは「取り引き」の段階で足踏みします。
「抑うつ」まで進んでしまえば、頭でわかっていることに少しずつ心が追いついてきます。他の感情や日常の忙しさにより、一滴ずつスポイトから水がたれるように、悲しみは薄まっていく。それが「受容」へとつながります。


CREDIT: Text_ジェラシーくるみ Composition_GISELeWEB

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