化粧品検定1級、化粧品成分検定2級、コスメコンシェルジュと、美容関係の検定を多数持つGISELe編集長のK。そんな美容マニアの編集長が、とくにお世話になったベストコスメをご紹介。「薦めるものは自分で試してよかったものだけ」という基準をクリアした名品を、マニアックな感想・個人的な使用感とともに、熱量高くお届けします。 (写真はすべて本人私物です)
「美容通の編集長が使ってよかった」1軍コスメ
「毎日同じメイクはしたくなくて、アイシャドウを変えたりチークの入れ方を変えたり新しい下地を試したり。日々の変化を求めながら、よりよいコスメを探し続けた2024年。そんな中でも「特によく使ったなー」というものをご紹介します。」
【選定基準】
□ 今年発売されたものに限らず、2024年に私がよく使っていたもの
□ 2024年に出会えてよかった!と思えたもの
(INDEX)
下地部門▶「縁の下の力持ち」
ファンデーション部門▶「ノーファンデ派の人でも使いやすい」
コンシーラー部門▶「まさに適材適所な色とテクスチャ―」
パウダー部門▶「“毛穴どこ?”な肌へ」
アイシャドウ部門▶「ナチュラルなのに“盛れる”」
マスカラ部門▶「長さもボリュームもゲット」
アイライナー部門▶「ブラウンでも強さを得られる絶妙カラー」
チーク部門▶「じんわりにじむ血色感」
リップ部門▶「ぷっくり•つやつや•透けの理想の3拍子」
シェーディング・ハイライト部門▶「この1つでのっぺり顔から卒業」
アイブロウ部門▶「黒髪に似合う“やわらかいけど意思のある”眉毛」
日焼け止め部門▶「ストレスフリーで美肌がかなう」
香水部門▶「季節もシーンも問わずに使える“大人の清潔感”」
【1】下地部門
「調子のいい肌に近づける縁の下の力持ち的存在」
「どちらもややベージュの色みがついていて、毛穴ぼかしやくすみ飛ばしに強いもの。クレ・ド・ポー ボーテは言わずと知れた下地界の名品中の名品ですが、今年ついに購入を決意。
肌全体をつやっとみずみずしく仕上げたい時はエナモル。保湿成分も配合されていて、閉塞感もないので、どちらかというとスキンケアに近い感じで使えます。もう少しきちんと感が欲しい日にはクレ・ド・ポー ボーテ。
私の体感としては、ともに水分量が高くてツヤ肌、自然なトーンアップ、毛穴カバーが期待できるのですが、エナモルの方がよりスキンケア後の肌状態に近くてフレッシュな印象。クレ・ド・ポー ボーテの方が、比較してみるともう少しだけ色みが明るく、ツヤも落ち着いていて、作り込まれた丁寧な肌というイメージです。
2点ともにどんなファンデでもキレイに仕上がってモチがいいというのも魅力で、その日の予定によって、この2つを使い分けていました。」
【2】ファンデーション部門
「ノーファンデ派の人でも使いやすいナチュラルなカバー力」
「どちらもこれまでのファンデーション記事で熱くオススメのポイントを語っているので、よければ下記の記事も併せて読んでみてください!
▶「むしろ夕方のほうがきれいな肌になれる」ノーファンデ派の編集長が使う名作ファンデーション
肌のノイズをそれとなく隠してくれるのに、“本当にファンデ塗った?”というような素肌感のある仕上がり。だから崩れも気にならず、夜になっても調子のいいまま。
トーンアップしたい時はプリペラ、デイリーはSHOSEIDOと、数ある中でもとにかくよく手がのびた2アイテム。プリペラは今年だけで3つ目に突入しました。」
【3】コンシーラー部門
「まさに適材適所な色とテクスチャー」
「左二つのパレットタイプのコンシーラーは主に頑固なクマ隠しに使用。コスメデコルテはこれまでも何度か登場していてリピート買いしている人生コスメなのですが、今年私のポーチの一軍入りを果たしたのがTIRTIR。
TIRTIRもコスメデコルテ同様、目元などの皮膚が薄く、よく動くところにもしっかりフィットする、伸びのいいやわらかなテクスチャー。そして平たくて先端が尖った筆とスポットカバーに最適な球状とのダブルエンドなブラシ。さらに、この右側のグリーンのカラーが秀逸で、少し赤みを帯びた私のクマに効果てきめん。左側のベージュも白がかった明るめの色みで自分の肌色に合っていて、どちらも使用感が物語っているように(笑)、めちゃくちゃヘビロテしていました。
一番右は11月に発売されたばかりのPARIBROWのペンシルタイプのコンシーラー。PARIBROWのスティックタイプのコンシーラーはもともと使っていたのですが、なめらかさはそのままに、さらに細く、そして逆側に平筆もついた新作は、より細かなところのカバーがしやすい。眉尻のラインを整えるのに欠かせなくなりました。」
【4】パウダー部門
「ほわっとヴェールで“毛穴どこ?”な肌へ」
「1月にリニューアルしたデコルテから始まり、大好きなジバンシイのプリズム・リーブルの新色、rihka初のパウダーなど、今年はニュースなパウダーアイテムが盛りだくさん。透明感が出せるもの、ほどよくカバーができるもの、乾燥しらずなしっとり質感など、用途によって選べる幅が広がったイメージなので、特にパウダーはその時々で使うものを1番変えていたアイテムかもしれません。
そんな数々の新作が登場していた中でも変わらずよく使っていたという意味で、どちらも今年発売のものではないのですが、この2つの定番をべスコスとして選びました。
共通しているのはどちらもファンデなどで作ったツヤを消しすぎることなく、不要なテカリだけをおさえてくれる、いい意味でひかえめな仕上がり。肌に透明の薄膜ヴェールをまとうような感覚で毛穴などを自然にぼかしてくれるから、ナチュラルなのに整った肌が完成。
セザンヌはプチプラとは思えない仕上がりのよさで、私はとくに夏場にたくさん使っていました。RMKは薄型なのにブラシも内蔵。すっと肌にとけ込む細やかな粉で、お直しにもぴったり。」
【5】アイシャドウ部門
「ナチュラルなのに“盛れる”輝きと発色」
「年齢を重ねるとともに発色はどんどん淡く、ラメはどんどん細かく、質感にこだわりを持つようになった私のアイシャドウ事情。
インウイは本当にパウダーとは思えないしっとり感とグラデーションしやすいカラーの組み合わせが素晴らしく、4色ほど保持。この08はすみません…発売日に購入した限定色で、今は手に入れるのが難しいのですが、ブルベの私にとてもしっくりくる色だったので“いつか再販して欲しい”という願いを込めて、ベスコスに入れさせていただきました。
7月に発売されたセルヴォークの単色アイシャドウはパッケージのみ限定なのですが、色は定番。キラキラはここ最近少し避けていたのですがこの可愛さは見逃せず、悩んだ末に複数色買いしてしまったもの。この27のカラーはベースの色がそこまで主張せず、繊細で透明感のある多色ラメがぎっしり。リップの色を主役にしたいときなど、“目元に色は効かせたくないけどメイク感は出したい”時に大活躍でした。
デコルテのクリームアイシャドウは2023年にリニューアル発売された当時から使用しているものなのですが、今年も引き続きたくさん使っていたのでランクイン。」
【6】マスカラ部門
「長さもボリュームもゲットできる黒」
「上まつ毛には、今年Qoo10で購入した韓国ブランドのthe lonbが大活躍。もともとmudeやロムアンドのマスカラが好きなのですが、仕上がりは結構近いです。マイクロファイバーが毛の1本1本に絡み、長さと太さを足してくれるようなイメージ。
でも決してひじきのように束にはならず繊細さは残せる。皮脂や水に強いのにパリパリと固まる感じはなく、上向きのふわふわまつ毛を1日中キープできます。
下まつ毛に使っていたのは、変わらずmudeのスキニータイプ。小回りのきくこのブラシの細さと、肌につきにくい形状が唯一無二。下まつ毛の存在感を引き出してくれます。他にも色々試しましたが、やっぱり今年もこれが1番でした。」
【7】アイライナー部門
「ブラウンでも強さが欲しい人にささる絶妙カラーたち」
「アイライナーは目尻までシャープな線が描けるリキッド派。最近は黒よりもう少しだけやわらかなブラウン派にシフトしましたが、それでもやっぱりキリっと見える“適度な強さ”は欲しい。
Celvokeは3,4年前くらいから使っていて2本目。それまで黒ばかり使っていた私がブラウンに乗り換えるきっかけをくれたアイテムです。ぼやけず、どんな色のアイシャドウとも相性のいいビターなこげ茶。使い続けても穂先が割れることなく使い切るまでずっと思い通りのラインが描ける。迷ったら絶対これ!というほど、2024年もお世話になりました。
そして、今年ハマったのはセザンヌとヴィセ。セザンヌのいいところは、この5mmというブラシの短さ。安定感があり、とにかく重心がブレないから引きやすい! この中では一番淡い栗っぽいカラーですが、それでもちゃんと目元が締まる。
ヴィセはとにかく超極細。0.01mmという卓越した細さで、まつ毛の生え際ギリギリにもスーッと細い線が引ける。ナチュラルめなメイクの日など、アイライナーの存在感を抑えたいときに重宝。ヘア&メイクさんに逆プレゼンするほど感動したアイテムです。」
【8】チーク部門
「三者三様のじんわりにじむ血色感」
「チークはクリームやリキッドタイプがマイブームだった1年でした。THREEのグラムトーンは春にメイク企画を担当した際、ヘア&メイクの岡田知子さんからブラシでつけるテクニックを教えてもらい、それが自分的にヒット。自然にぼかせて頰をほわっと色づけてくれます。落ち着いたベージュの色みも好き。
シャネルは実は発売してすぐに2色とも購入していたのですが、使うのがもったいなくてやっと今年開封。……結果、もっと早く使えばよかった! THREEは少しさらっと系なのですが、シャネルはじゅわっと湿度のある感じ。通年で使っていますが、特に夏によく似合う質感だと思います。
パウダーで感動したのは秋に登場したばかりのレブロン。ハイライトとのグラデーションになっていて、大きなブラシで混ぜてから肌に乗せると、頰に欲しいツヤと血色を同時に補える。かなり薄づきなのでたっぷりのせてもつけすぎた! とならないのでオススメ。」
【9】リップ部門
「ぷっくり•つやつや•透けの理想の3拍子」
「リップはメイクで最も女性らしいパーツだと思うので、それを表現できるぷっくりとした丸み・湿度のある質感・もとの唇の色となじむシアーな血色カラーを選ぶのがMY定番。最近ボブからまた久しぶりにショートヘアに戻したので、よりリップメイクが楽しくなった2024年でした。
各ブランドからも、今年もリップはたくさん出ていて、RMKのデューイメルト リップカラーやKATEのリップモンスターのクリアトーンシリーズなど、お気に入りはたくさんあるのですが、その中でも欠かさず毎日持ち歩いていたのは韓国ブランドのfweeとBE ON TIME。
fweeはQoo10の公式サイトで、BE ON TIMEは弘大のHEMEKOで購入しました。どちらもプランプ効果でぷっくりつやつや(プランパーにありがちなピリピリとした刺激は私は感じませんでした)。左右2つはやや青みがかったモーブカラーでもなじみがよく、中央は落ち着いたブラウンなのに透明感が出せて血色感を損なわないシアーな発色。服を選ばずに使えるため、とにかく万能!
ティントではないためこまめな塗り直しが必要だから、鏡なしでさっと塗れるというのも大事で、この2ブランドはそういう意味でも使い勝手のいいアイテム。」
【10】シェーディング&ハイライト部門
「この1つでのっぺり顔から卒業」
「シェーディングの重要性がじわじわと浸透し始め、来年はこれまで以上に盛り上がりそうであろう“光と影”を操るコスメ。このM・A・Cのパレットも、以前限定で出ていたものが今年定番化された注目のアイテムです。
まずどっちもセットになっているというのが便利。シェーディングは、いやな粉っぽさがなく、ブラウンを帯びた肌なじみのいいグレーの色みと淡い発色で自然な影になりすませる。ハイライトにはM・A・Cでも単品として人気のダブルグリームがIN。
おなじM・A・Cのミネラライズ スキンフィニッシュのライトスカペードという方のハイライトは以前にも底見えデパコス記事で紹介したことがあり、今でもよく使うのですが、それよりもっと輝きが強くて華やか。
かといってパーティ感が出すぎないのは湿度のあるパウダーと細やかなパールのおかげ。ささっとのせるだけで顔まわりにおのずと立体感とメリハリをつけてくれるから、あるとないのとでは仕上がりが段違い。」
【11】アイブロウ部門
「黒髪に似合う、やわらかいけど意思のある眉毛」
「眉毛に対するこだわりも以前に記事を上げているのでぜひご覧ください!
▶「黒髪に似合う眉毛ならコレ」美容通の編集長が選ぶ「500円とは思えない」優秀アイブロウ
過去の記事で紹介しているコスメも引き続き愛用中なのですが、ベスコスとしては今年仲間入りした感動アイテムを2つ。
最初はこの夏に「#脱色級マスカラ」としてリニューアルされたKATEの眉マスカラ。まず、このBR-8のグレイッシュなカラーが好き。以前の記事で紹介したロムアンドと似ていますが、もう少しトーンが落ち着いてやや血色感を帯びているので、より毛とも肌ともなじみがいい。
脱色級とうたいながらも存在感は残せるので「意志があるけどやさしげな印象」に仕上げてくれます。さらにブラシの形状のおかげか、さらっとした液のおかげか、すっと溶かすだけでべたっとつくことなく毛の一本一本を色づけてくれるのもお気に入りのポイントです。
黒髪の自分にとって、眉アイテムは色みがとても重要。ブラックに寄りすぎても濃く見えてしまい、黄みの強いブラウン系は統一感が出しにくく浮きがち。そういう意味で、PARIBROWのパレットの新色05も、11月に発売されたばかりですが一気に一軍入り。特に左上のカラーがこれまた絶妙なグレイッシュなカラーで最高。」
【12】日焼け止め部門
「ストレスフリーで美肌をかなえるリピート必至の名品」
「“とにかく美白!目指せ透明感!”な私にとって、日焼け止めは365日欠かせないアイテム。冬でもSPF50・PA+++の最高値でないと不安。なので日焼け止め選びにはちょっとうるさいです(笑)。
伸びがよく、被膜感を感じさせず、ベタつかないけど乾燥もしにくい。さらに、黒い服を着たときも白くつかないことも重要! そんなこだわりの多い中、特に出番が多かったのがコレ。
まるで乳液かのようなウォータリーなテクスチャーで圧倒的なつけ心地のよさ。潤いを感じられ、つけた後の肌がつやんとキレイに見えます。さらに、医薬部外品でシワや肌荒れも予防できるとあって、やや値ははるのですが、リピートし続けたい逸品。」
【13】香水部門
「季節もシーンも問わずに使える“大人の清潔感”」
「エルメスは新作ではないのですが、今年私が初めて出会い、溺愛していたものです。香りを一言で言うと“エレガンス”。スイートピーやガーデニアをメインとしており、女性らしさがあるのですが、そこはやはりエルメス。
甘すぎず重すぎず、やわらかくふんわり穏やかに香る。いい意味で主張が強くないので、香水をつけるのを少しためらう真夏でもつけやすく、オススメすると男女問わず“いい!”とまわりでも購入者続出でした。
アクネ ストゥディオズはブランド初の香水というのと、ニュースで“柔軟剤の香り”というキーワードを見て、発売前から気になっていたもの。気軽に買える値段ではなかったので、何度もお店へ足を運び、3ヶ月以上悩んで購入に至りました。
エルメスがシルクやサテンのようなイメージだとしたら、同じフローラル系でもこちらはパリッとした白シャツやデニムに似合う、クリーンな香り。軽すぎずさわやかさの中に深みも感じられるのでシーズンレスで使えて、“どこの香水?”と聞かれた率No.1。」