ひとたび使えば心が高揚し、装いのインスピレーションも湧いてくる。出そろった新作コスメを軸に、人気ヘアメイク・笹本恭平さんが「今どき」の最旬メイク法を伝授。
【笹本恭平さん】
ilumini所属。・顔を盛ったらアクセは盛るな・肌と眉で半分完成・あとはお遊び大人の可愛いは1個までetc…など独自の切り口と理論で幅広い世代に人気の、コスメにも詳しい人気ヘアメイク。
【5】「カラーレス」がメイクのキーワード
濃淡ベージュでつくるグラデーションメイクが主流のトレンド「ミュートメイク」を目元から。「分かりやすい色を使う・混ぜるのをやめる」ことで地味でもなく上品でキレイ。そして「浮かれすぎない」発色にこだわった華やかさが欲しい時のメイク法や、気軽に足せる名品コスメをご紹介。
トレンドは「ミュートアイ」

リリースが相次ぐ、「繊細なパールが輝くアイライナー」。いつものアイシャドウの上にさらりと効かせれば、清らかでより魅力的に。軽やかな抜けも生まれ、厚みのあるニットともバランスがとりやすい。 ピアス 3,630円/mimi33(サンポークリエイト) リング 29,700円/PLOW
【USE ITEMS】

1_ヴァティック アイズ 31(初回限定ケース) 2,640円/セルヴォーク シルキーな光沢を持つピンクニュアンスのブラウン。しなやかで可憐な印象をメイク。 2_ファントゥファンキーリキッドアイライナー X01(数量限定色) 3,300円/THREE 星屑のようなシルバーのきらめきが入った、淡いピンクのアイライナー。目元に奥行きを生む。
3_MiMC ミネラルクリーミーチーク 15 3,630円/MIMC 自然な陰影と立体感を引き出せる。 4_リップ オイル バーム 04 3,850円/クラランス ピュアに色づくヌードベージュ。
【HOW TO MAKE-UP】
1をアイホール広めと下まぶたのキワに塗り、2で上まぶたのキワ、目頭から目尻にかけてラインを引く。下まぶたの目頭側にも「くの字」にラメをのせる。
3のチークは横長に入れ、鼻筋の高いところにも軽く塗布。4のリップは直塗り。
「ピンクやベージュ、クリアなど、なじみのよいベースカラーのライナーがオススメ。光を受けたとき、光のあたる部分だけがさりげなく主張して、リッチで上品なまなざしをつくれます」(担当ヘアメイク・笹本恭平さん)
自然とうるんだような目元の作り方

カジュアルの基本であるブルーデニム。重厚な色合いでインパクトを放つぶん、メイクは目立つ色を使うよりも「質感に」遊び心をとり入れたい。豊かに輝く白のグリッターを目頭に広げたら、ラフな印象とほどよい品を両立できる。 デニムジャケット 11,900円/Gap
【USE ITEMS】

1.ザ アイシャドウ パレット “アウト オブ ユア シェル” Amethyst Sea 6,820円/アディクション ビューティ 瞳に透明感をもたらす、みずみずしい輝きのグリッター。夕方の海から着想したというピンクトーン。

2.RMK リップベースライナー 02 2,750円/RMK Division なめらかな質感のローズベージュが、リアルな血色を表現。
【HOW TO MAKE-UP】
・1の★を指にとり、アイホール全体にざっくり塗る。今度は太めのブラシで、目頭をくの字に囲んで塗る。はみ出すように広範囲にラメをのせたら、かわいく転ばず、自然とうるんだような目元がつくれる。
・ブラシに残ったラメを目尻のキワから外側にも薄く広げ、唇に2を直塗り。白のグリッター1つで華やぐから、チークやリップなどの赤みはなるべく引き算。甘さを盛りすぎないことが、親しみやすくこなれた雰囲気に直結する(担当ヘアメイク・笹本恭平さん)
黒マスカラが引き立つ「白っぽいベージュのまぶた」

黒マスカラにベージュシャドウという、見慣れた配色を更新するべく、選んだのは「白っぽいベージュ」。まぶたの明度を上げることで、ぬれたようなツヤを帯びた黒のまつ毛がよりキレイに。「シアーな質感をラフに重ねる」テクニックで、さらなる特別感を。
「ラフ塗り」によってベージュが新鮮に

【HOW TO】
1.Aを指でまぶたに数カ所のせてから、ラフに塗り広げる。
2.塗り終えたら、今度は付属のチップでアイホールの中央をやさしくたたくように色を追加。まんべんなくなじませるのではなく、わざとムラができるように塗るのがポイント。
3.上下のまつ毛に黒マスカラBを塗布。目元がマットなので、つややかなリップCでメリハリを。落ち着いた雰囲気のブラウンが相愛。

A.ワンダー クラウド リキッドアイシャドウ 005 1,320円/リンメル まぶたにのせると、クリーミィな質感からパウダー状に変化。 B.グロッシーラッシュ マスカラ 3,850円/UNMIX まつ毛をすこやかに見せるために考えられた黒マスカラ。 C.ルナソル プランプメロウリップス サテン EX11 4,400円/カネボウ化粧品 グレーのニュアンスを感じる大人なオレンジブラウン。
「3,000円以下なのに本当にいい」ブラウン系アイシャドウ
粧品検定1級、化粧品成分検定2級、コスメコンシェルジュと、美容関係の検定を多数持つGISELe編集長のK。そんな美容マニアな編集長が、実際使ってみて「本当にいい」とおすすめしているコスメをご紹介。
「個人的にアイシャドウは色で遊ぶというより、目元をぼやけさせないために立体感を出す目的で使用。なので毎シーズン多くのアイシャドウを試していますが、集めてしまうのはブラウン系のアイシャドウばかり。とはいえこれからの時期は、軽やかな装いにも浮かない、色みや質感選びに気をつけたいところ。数多く試したなかから、比較的手にとりやすい価格のものに絞り、リアルな愛用品を厳選しました。」
合わせる色を選ばない超万能なベースカラー

アイグロウジェム スキンシャドウ 12G 2,970円/コスメデコルテ
「昨年リニューアルされたタイミングで手に入れた、コスメデコルテのクリームアイシャドウ。肌なじみのいいスキントーンのみにしぼった30色という、ナチュラル派にはうれしいカラー展開で、選びきれず10色以上は所持。
特にお気に入りは一番人気でもあるこの12Gの淡いロゼベージュ。クリームタイプのアイシャドウは時間がたつと二重幅にたまっていくのが気になるのですが、これは密着力に優れていて1日中よれる心配なし。基本的にはベースとして使用していますが、そのあとにアイグロウジェムの別のカラーを重ねたり(私のお気に入りは08Gとの組み合わせ)、手持ちの他のパウダーアイシャドウを重ねても粉飛びを防げるので、なにと合わせても相性がいい。
微細なパールとクリームの質感による、上品なツヤのおかげで、ピンク系ですが甘くなりすぎないのもお気に入りのポイントです。上まぶたには指でささっと。下まぶたには私は細く入れたいのであえて斜めカットになったアイブロウブラシを使用しているのがひそかなこだわりです。」
デパコスには出せない理想の薄づき

キャンメイク パーフェクトスタイリストアイズ 24 858円/井田ラボラトリーズ
「“これいいよ!”という噂を聞けば比較欲が高まり、プチプラからデパコス、海外ブランドまで幅広くお試し。デパコスは粉質やラメの繊細さなどは“さすが!”なのですが、結構しっかり発色するものが多く、個人的には少し濃いかな?と感じるときも。意外とデイリー使いしやすいという意味では、プチプラ系をあえて選んでいる日も多いです。
中でもキャンメイクのアイシャドウは新作が出るたびチェックしているブランドの一つ。1,000円でおつりがくる価格ながら、捨て色なしの5色がセット。この価格とは思えないしっとりとした粉質かつ、肌に溶け込むようなシアーな発色でグラデもしやすく、自然な立体感。
特に左右にセットされている4色が好きなのですが、どれも細かなパールが入っているため、ブラウン系でも重たくなる心配はありません。黄み寄りではなく、ややピンクがかったトーンなので、ブルべの私にはそこも魅力でした。」
マットが苦手な人こそ使ってみてほしい

KATE ポッピングシルエットシャドウ BR-1 1,540円(編集部調べ)/カネボウ化粧品
「数年前までアイシャドウはラメなしでは考えられなかった私。ですが年齢を重ねるにつれ、少し難しく感じるように。かといってマットだけは老けて見えそうだったり物足りなさと感じたりと苦手意識が強くて。そんな私でも“これならいい!”と思わせてくれたのがこのパレット。
上2色がマット、下2色は粒感の違うグリッター系なのですが、パウダー系のマットアイシャドウにありがちなぱさぱさ感がないのと、主張しすぎないミュートカラーで、リアルな影になりすませる。個人的には、最初に左下のパール入りのベースカラーを乗せ、そのあと上2色を重ねて使用。派手ではないけどマットだけで仕上げるより生き生きとして、目力が自然とアップ。
右下のグリッターカラーを重ねるともう少し華やかになるので、気分やシチュエーションに合わせて手軽にニュアンスチェンジもできます。」
大人が使いやすい「メタリックのような」繊細な輝き

ヴィセ ニュアンス デューイ クリエイター BE-2 5g 1,320円(編集部調べ)/コーセー
「先述した通り昔ほどラメに飛びつくことは少なくなったのですが、やっぱり特に夏は強い日差しに映える輝きも欲しい。なのでかわいい印象になりがちな大粒グリッターではなく、メタリックのように“面”で光るパール入りの質感にシフト中。
これはパウダーなのに湿度を感じる、ぬれたようなツヤがかなう名品。グレイッシュなカラーながら、シアーな色づきのおかげで重ねてもにごることなく、キレイなグラデーションが可能。ノースリーブや背中開きなど肌感のある装いに似合う、ちょっと色っぽいヘルシーな女性らしさを表現できます。」
「ハンサムな気分」のときはコレ1択

エクセル スキニーリッチシャドウ SR01 1,650円/常盤薬品工業
「新作が出るたびに、どんどんお気に入りのものが増えるブラウンアイシャドウですが、何年も手放せないものといえば、このエクセルのアイシャドウパレット。こちらはこれまで選んできたアイシャドウの中ではパール感はひかえめで、わりとしっかり濃淡がつけられるものなので、ジャケットやジレ、パンツなどちょっとマニッシュな装いをするときに手に取ることが多いです。
このシリーズもブラウン系の色展開がかなり多いのですが、このSR01は黄みにも赤みにもカーキにも寄りすぎない、温かみがひかえめなベージュ~ブラウン系なので、夏にも使いやすいと思います。」
【番外編】3,000円以上の価値ある逸品

インウイ アイズ 03 6,600円/資生堂お客さま窓口
「昨年再始動を果たし、なにかと話題を集めている赤のパッケージが印象的なインウイ。とくにパウダー系のアイテムが優秀だとヘア&メイクさんからも聞き、ゲットしたアイシャドウ。結果、別の色も買い足してしまうほどハマってしまいました。
オイルコーティングされた細やかなパウダーは、パウダーであることを忘れてしまうほどのなめらかさ。まぶたにぴたっと密着して光を操り、落ち着いたブラウンながら透明感のある目元に。瞳をキレイに見せてくれ、使っていると褒められ率も高いです。
“とりあえず”でブラウンアイシャドウを選んでいる人にこそぜひ一度使ってみて欲しい。きっと高い満足度が得られるはずです。」
(ナチュラルメイクの完成度を左右)
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