合わせる服に応じて簡単に姿を変えられ、スタイリングにおいても多彩な役割を担ってくれるから。実は白Tよりも活躍が期待できるゆったりとした白シャツ。たった1枚に秘められた無限の可能性を、スタイリングとともに徹底追求!
1.
「白・ベージュでもゆるまない」シャツの使い回し方
【着回すシャツ】

「くたっとしすぎない」やや厚めの長め丈
オーバーサイズでもしゃんと見えるうえに透けにくい、ややハリのある生地。小ぶりなえり&ボタンが隠れる比翼仕立てのミニマルさも使える理由の1つ。幅広のカフスがさりげないアクセントとして作用。 シャツ 26,400円/HER. コットン100%。
好感度高く「締める」

ボタンをきっちりとめてすそもIN。まじめに徹してワイドパンツをスマート化
パリッとした白シャツならではの知性をフル活用。ゆとりの出るサイズ感のおかげで適度な親しみも残せる。
華やかなスカートを「なじませる」

冷静沈着な白でおおってきらめくフレアスカートをドレスダウン
広がるシルエットに、ゴールドで華やかさが増したフレアスカート。ストールのように白シャツをひっかけて面積をせばめ、派手手前のバランスに。トップスにはゴールドと近しいベージュを選び、ワントーンっぽくまとめたのもポイント。
デザインのように「魅せる」

着くずしたことで引き立つサイズのギャップで1枚でも着映えを約束
デコルテや手首など華奢なパーツをのぞかせて、大きなシャツとの対比を強調。すそはウエストまでボタンを開けて、たっぷりとしたシルエットでもすっきり感は意識。ボトムはショート丈でコンパクトに装って重心を高めに設定。
着ないで「飾る」

平坦なベージュワンピに変化をつけるべく腰に巻いてさし色に
ベージュのやわらかな雰囲気はそのままに、気になる膨張や間のび感だけをシャットアウト。ベルトよりも立体的に見えるから、もの足りなさもなし。
質感の微差で「盛り上げる」

淡白なワントーンを表情豊かに導く質感違いのレイヤード
エレガントなボウタイブラウスに、ハンサムなシャツを重ねたことで顔まわりにクセが誕生。足元まで白を貫けば迫力が増して、見慣れた一色といえど存在感高く。
間に仕込んで「整える」

挟んだ白が軽さをもたらしダークトーンにさわやかさを加算
着ていて落ち着く一方で、そのままだと少し重さも気になるこれからのダークトーン。白が少量入るだけで空気が一変、軽快なルックスへシフト。
2.
海外で目にとまった「シャツ上手たちのテクニック」
着つくしてしまったように感じるシャツも、まだまだポテンシャルを秘めている可能性が。シャツ上手な海外のファッショニスタの装いから見えてきた、ひねりをきかせたアレンジ術をアーカイブ。
シャツも靴もクリーンな白

ダメージデニムと隙のない白シャツ。まじめ・ふまじめのちぐはぐな上下も、ミニマルな白い靴が複雑さをそぎ、シンプルにまとめる。
タックイン+ワイドパンツ+鋭いつま先

(左)ブーツ&ベルトの黒でサンドしたことが、パンツのボリューム感をきわ立たせて、腰から下をほっそり見せることに成功。上は腕を見せて軽く。 (右)ズルッとしたベージュパンツを、とがったトゥのブーツで背筋が伸びた印象に。ベージュ×ブラウンのグラデーションが高感度な装いへアシスト。
ワントーンも退屈しないツヤ感

単調に見えがちなワントーンは、光沢で奥行きを表現できるサテンなど素材感で差をつけるのも1つの手。
白シャツと白Tのセルフアンサンブル

シャツの爽快感とTシャツのカジュアルさ。迷いのない白がかえってすがすがしい。ボトムまでラフにそろえれば気張って見えない。 〈左〉クリーンな白の2乗でデニムに落ち着きを。 〈右〉どちらもルーズなシャツとチノパン。ベルトでさっそうと引き締め。 〈中〉ショートボトムを包むようなシャツのフォルムにも着目。
ドライなカーキを多彩な黒で飾る

発色もシルエットも硬派なシャツのイメージをくずさない、レザーのツヤでうるおいをチャージ。ビッグシルエットからのぞくミニマムなスカートというアンバランスさも目を引く要因。小物までタフな黒でまとめれば、肌見せで陥りがちなセクシーさを回避できる。
流れを変えるベルトのひと手間

細みパンツにシャツをインしたリーンなシルエットに、ベルトをさしてメリハリをつけた常套手段。上下ともにレザー素材、さらにブラウンではなく黒ベルトという強気な選択は、配色をほっこりさせないための最短ルート。白タンクの息抜きを忘れずに。
ささやかな飾りと1枚系

オールインワンのような白のフラットなワントーンには小さなゴールドアクセサリーでも十分映える。
強さを小物に託してリラクシー

とろみ素材のシャツの流れに沿う繊細なネックレスを。パリッとしないぶん気だるさが漂うから、アクセサリーに加えてスパイシーな柄バッグやサングラスで引き締めを図って。
素肌とゴールドとエクリュカラー

白っぽいシャツの色みに、ゴールドのアクセサリー。大きく開いた胸元を飾りとしてカウントした3つのレイヤードで肌なじみよく。胸元を無造作に開いた豪快さが、かえって女っぽさを助長。
大きなシャツに小さなネオン

オーバーサイズの白を膨張させない、キャッチィなネオンカラーのアクセント。ミニマムにきかせることで、主張の強い白に添えても悪目立ちしない。 〈左〉ボトムとバッグ、サンダルまで旬なグリーンでまとめて統一感を。タイトなパンツとシャツのバランスも良好。 〈右〉シャツからミニバッグをななめがけし、視線を上げる正攻法。
えりに隠れて高貴なパール

えりで見え隠れするバランスをいいことに、レディなパールをハンサムなシャツにしのばせる大人の遊びを。 〈左〉ネックレスをいちばん濃い色とし、首元から足元にかけてグラデーションを意識した緻密さ。 〈右〉サックスブルーと白パールの聡明なコンビネーション。
3.「見るべきはシルエット」白シャツの新たな選び方
知性や清潔感、好感度を出せるものとして持っておきたいクリーンな白シャツ。1枚で着ることも増えるから、それだけで洒落感が出せる「形」に着目を。飾りを足すよりひかえめに映りながら、シンプル以上へと近づける。
細身パンツに好相性「立体的なビッグシルエット」

ラウンドビッグシャツ 36,300円/ENFÖLD デニムパンツ 36,300円/マザー(LITTLE LEAGUE INC.) 眼鏡 19,800円/ザ ベッドフォード ホテル(キングスター) ローファー 17,930円/A de Vivre ドロップショルダーとラウンドヘムで引き立つフォルムの丸み。
よりシンプル重視「ボタンがないレギュラーカラー」

上までしっかりとめてもえりつきの白シャツがフランクに仕上がる、ハーフジップの効能。生地段階で柔軟加工をほどこしたソフトなコットンツイル生地は、素肌にふれたときも心地よく幸福感を味わえる。背面にはアクティブシーンに助かるサングラスホルダーつき。
シンプルが退屈しない「非対称のフォルム」

刺しゅうカラーショートシャツ 36,300円/HOUGA パンツ 67,100円/バイ・マレーネ・ビルガー(ショールーム ロイト) バッグ 48,400円/ROH SEOUL パンプス 17,600円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)
パッと見はスマートな白シャツだけど、よく見るとところどころつまんだような、アシンメトリーデザイン。不規則な立体フォルムが、淡泊になりがちな細身シルエットでも、1枚で凝った見た目へ方向づけてくれる。
スタイルバランスを整える前後差のあるすそ

バンドカラーシャツ 14,300円/ソージュ(ソージュ オンラインストア) 後ろはお尻をすっぽり隠す丈で、身幅はコンパクト寄り。サイドにも深めの切り込みを入れることで、ヒップラインは隠しつつもボトムが見える面積が増え、脚も短く見えない視覚効果。
「ゆとり」で飾るビッグサイズ

リネンシャツ 39,600円/SACRA(インターリブ) 夏に向けて1着は持っておきたいリネンシャツも白で軽快に。合わせやすい小さめのえり、肩のステッチがないため、オーバーサイズでも体から浮かず、膨張感を軽減。
INしなくていい「短め丈」

ショートボタンダウンシャツ 41,800円/ダブルスタンダードクロージング(フィルム) 必然的に脚長バランスを形成するショート丈は、ややゆったりとしたシルエットを選ぶのが正解。細身のボトムはもちろんのこと、フレアスカートやワンピースにも好相性。1枚でトップス的にも、羽織りとしても活躍。
「片側フリル」で甘さひかえめ

フリルヘムシャツ 44,000円/CABaN(キャバン 丸の内店) すそのフリルで、白シャツの冷静さと華やぎを両得。短めの丈だから、シンプルなボトムを合わせたときも、フリルが悪目立ちせずちょうどいいバランスに。
ドロストで「理想のふくらみ」

ヘムコードオーバーシャツ 16,500円/AKTE 旬のスポーティな要素を含ませた、ハリ感素材。ブルゾンのように羽織りとしても活躍。すそを絞って着ることで、白シャツではなかなか見かけないコクーンシルエットを簡単に演出。
エフォートレスな「スキッパー」

シャツ 45,100円/フランク&アイリーン(LITTLE LEAGUE INC.) ヘンリーネックトップスのような、ロンT感覚で着られる1枚。薄くて軽いコットンボイル生地。デコルテラインも美しく見えるカッティングで女性らしく。
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