「そのまましまうと傷みます」プロが解説「セーターをダメにしない」正しいしまい方

ニットをしまう前に知っておきたい「ニットをダメにしない」方法

お気に入りのニットを来年も「おろしたてのような着心地・見た目」で着るために。お手入れするうえで浮かんでくる疑問や不明点を解決するべく、衣類ケアのプロやニットの専門家の方々にヒアリング。


【お話を伺った方々】
(UTO・宇土寿和さん) 世界最高峰のカシミヤ糸を使用した最高級カシミヤニットの企画・製造・販売を、国内で一貫して行うニットメーカー「UTO」の代表。カシミヤニットに関する数々の著書を出版。


(レジュイール・古田陽祐さん) 長年培ってきた独自の手法で絶大な支持を誇る、高級クリーニング店「レジュイール」を率いる衣類ケアのプロ。ファッション関係者からのラブコールが絶えない。


クリーニングに出したニットは?


ビニールをすぐにはずす
クリーニングの際に使用する溶剤が付着している場合があるので、クリーニングから戻ったらビニールは直ちにはずすのが大切。つけっぱなしにしておくと、せっかくクリーニングでお手入れが済んだニットが傷んでしまう可能性があります。(レジュイール・古田さん)




クリーニングに出さない場合は?


1.汚れや虫食いがないかくまなくチェック
シーズン終わりにしっかりとお手入れをしていたとしても、半年以上クローゼットで保管している間に汚れや虫食いが発生する場合も。そでを通す前に、まずは目を皿のようにして汚れや虫食い、ほつれなどがないかチェックするようにしてください。(UTO・宇土さん)


2.最低丸1日広げて平置き
クローゼットの外の空気に慣らす目的で、丸1日ベッドの上などの平らな場所で広げて平置きを。ニットの毛が立って本来の風合いを回復できるほか、防虫剤や乾燥剤のにおいも除去することができるます。(UTO・宇土さん)


3.やさしくブラッシングする
丸1日平置きして毛が立ってきたら、毛並みを整えるため、毛が流れる方向に向かって入念にブラッシングを。また来年着るとき、シーズン初めのブラッシングは1シーズン着心地のよさを保つためにも必要。もとの風合いをよみがえらせるためにも重要な工程。(UTO・宇土さん)




ブラッシングでホコリをしっかり除去!


「付着したホコリを払うイメージで毛並みに沿ってブラッシングを。目に見えなくても、意外と外からの汚れがついているもの。放置すると黒ずみの原因にもなりかねません」(レジュイール・古田さん)




1.汚れを払い落とす
「織り」でできたニットや毛足の長い素材は、ホコリがついたまま放置すると、生地と汚れが絡んで吸着してしまう。ホコリや花粉などはブラッシングである程度落とせるので、日常的な習慣にして。

2.繊維の目を整える
ニットがくたびれる原因の1つ、「摩擦」による繊維どうしの絡まりを制し、正しい方向に戻すこと。それが「繊維の目を整える」ことであり、つまりは毛玉を防ぐことにつながります。

3.繊維に空気を通す
服をハンガーにかけるのは繊維が空気を含んだほうがシルエットを保ちやすいから。理屈はブラッシングも同じ。服の表面にブラッシングをして繊維に空気を通すことで形くずれをガードできます。




(正しい知識・ケアアイテム70選をひとまとめに!)
【全70選の一覧】≫「来年もニットをキレイにきるために」プロに聞いた「セーターの正しいしまい方」のすべて