大事なのは「順番」 メイクのプロに聞いたチーク上手になれる簡単な方法

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少しの工夫で、仕上がりの印象もまったく違ってくるチークの入れ方。メイクのプロたちが重視するポイントは? 明日から早速とり入れたい、メイク上手になれるテクニックをご紹介。



プロが考える最新チーク事情


メイクのプロたちはチークをどんなときに、どんなふうに活用してる? さらにインスピレーション源や今季注目している質感や色みについてもヒアリング。




インスピレーションはアートの中から


木部明美さん(ヘアメイク/PEACE MONKEY所属) 遊び心あふれるキャッチーなメイクが得意。顔全体をコーディネートするように、独自の理論で組み立てられた配色や質感にはファンも多数。絶妙なニュアンスのあるヘアアレンジも定評。(@kibeburu)

リップをつけたあとの最終調整として、チークを入れることが多いです。メイクの雰囲気と骨格のバランスを見て、頬骨に沿って横長に入れるか、こめかみに向かって入れるかなど、チークを塗る位置や面積を検討します。一般的に内側に向かって入れるとかわいらしく、外側に向かって入れると大人っぽく仕上がります。


チークを入れる場所による見え方の違いがわからないという人も多いはず。そんなとき、絵画の中の女性を参考にするのも手。描かれた年代や背景によって、塗る角度も色をのせる面積もそれぞれ異なるので、こういう塗り方をすれば、こんなふうに見えるのだと、チークがもたらす印象を考えるのに便利





【木部さんお勧めのコスメ】

ペタル リキッド リップ アンド チーク 〈上から〉 03,04 各3,300円/トーン 「気張った感なくカジュアルに使えるところが好き」 奥から血色がにじむように、華やいだ色以上に透明感で染め上げるような色づき」(木部さん)






チークはファッションでいうとベルトのようなもの


笹本恭平さん(ヘアメイク・ilumini所属) 数々のファッション誌・美容誌で活躍。ほどよい抜けと品をそなえたメイクが得意。

「チークは顔にメリハリをつけるために欠かせない存在。ファッションに置きかえて考えるとわかりやすいのですが、腰の位置をどこに設定するかで印象が変わりますよね。ゆったりとした服も、ベルトをつけることで、バランスのいい見た目になります。それと同じで、顔の中心部にある頬にも締まる色をのせることで、間のび感を払拭できるんです。


そんな考えがベースにありつつ、最近はチークを頬全体に広げるのが旬。BLACKPINKのジェニーみたいに、ツヤを帯びた赤を広範囲に広げれば、いきいきとした印象とセンシュアルな魅力を両立できます」(笹本さん)




【笹本さんおすすめコスメ】

ボーム エサンシエル ルージュ フレ(数量限定発売) 6,600円/シャネル 輝かせたいところにのせるだけで、肌に濡れたようなツヤを出してくれるグロウスティック。頬だけでなくまぶたや唇にも使えるから、メークアップの可能性がぐっと広がる。
「シアーな色づきで、完成度の高いチークメイクが楽しめます」




自然なフレッシュさを出すためにチークが必要


扇本尚幸さん(ヘアメイク) GISELeでは主にファッションページで活躍中。キレイなのに甘くない、絶妙なベースメイクやアイメイクのさじ加減に定評あり。つくり込んだ感のないレトロなメイクも得意。

「ソフィア・コッポラ監督の映画『ヴァージン・スーサイズ』を観て、チークの温度感によって表情が豊かに見えることを再確認。チークというと、一般的に甘いイメージを持たれがちですが、顔に立体感をもたらしたり、くすみを飛ばしてフレッシュさを演出したりと、大人の肌にも欠かせない存在だと思っています。


なかでも、肌の内からじんわり色づくようなクリームチークは、あからさまじゃないのに、骨格や肌質の印象操作ができてオススメです。チークに苦手意識がある人は、ピンクなど色つきのメイクアップベースを使うだけでも、肌の印象をよりよく変えられます」(扇本さん)




【扇本さんおすすめコスメ】

ニュアンス フェイスカラー 09 2,750円/OSAJI 滲むような色と存在感を添えるフェイスカラー。瞼に伸ばすとスパークルゴールドパールが広がり、肌を高揚感とともに艶めかせてくれる。適度なパール感があって大人の肌に透明感を与えてくれます」




コンシーラーをチークがわりにすることも


塩沢延之さん(ヘアメイク・mod’s hair所属) GISELe表紙のヘアメイクでもおなじみ。めざす女性像に応じて、質感と色みを絶妙に使い分けるテクニックはスタッフからの支持も厚い。

「カールヘアにギャップを生んだり、ファンデーションで整えた肌を素肌っぽく見せたり、僕にとって、チークは抜け感を演出するためのもの。チーク感を出したいのではなく、日焼け肌のようなナチュラル感や陰影をつくるのが目的なので、コンシーラーで代用することも。


この抜け感は、90年代に見たピーター・リンドバーグ氏の写真から影響を受けているように感じます。頬の真ん中に入った影があどけなさを演出していた写真が印象的で、記憶に残っていますね」(塩沢さん)




【塩沢さんおすすめコスメ】

HDスキン オールインワンパレット 14,300円/メイクアップフォーエバー ファンデーションや、チーク、ハイライト、コントアリングまで、すべてが整う。ブレンドして自由自在な表現を叶える、プロ発想のスペシャルパレット。


「MAKE UP FOR EVERなど海外発祥のブランドだと、茶系のコンシーラーが充実。★を頬に薄くのせると、きっちり仕上げたほかのパーツやヘアスタイルにゆるさが出ます。ブレンドしやすい質感も気に入っています」(塩沢さん)




服を生かすためにあえて血色をなくすことも


小澤麻衣さん(ヘアメイク・mod’s hair所属) ファッション誌を中心に、広告、CF、アーティストジャケットなど幅広く活動。ナチュラルでも意志のあるハンサムな女性像を作り上げるのが上手。陰影をあやつる、いわゆる「骨格メイク」にも定評あり。

「ヘアメイクの現場では、シェーディングやハイライトで骨格を整えてから、企画のテーマや着用する服に応じて女性像やストーリーを想像し、何色のチークを合わせるかを考えます。私にとって、チークはリップと同じようなもの。一点投入で全体のムードを変えるパワフルなものだととらえているので、服によってはチークレスメイクを選択することも。


ベージュのワントーンなど、ミニマムな印象の装いのときはとくに、メイクの色が主張すると、服の見え方を妨げてしまう場合もあります。肌の土台をマットにつくってから、光沢だけを足せるベージュ系チークをさっと塗布するのが今の気分です」(小澤さん)




【小澤さんおすすめコスメ】

ザ ブラッシュ ニュアンサー Beyond Light 3,300円/アディクション ビューティ シアーな発色の中に、ヴェールの輝きと絶妙なニュアンスをもたらすニュアンサー。トップコートのように重ねれば、頬のニュアンスをチェンジ。ハイライトとしても使えてシンプルながら、ほのかなツヤが出て今っぽくなる」(小澤さん)




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